名曲に正面から取り組んで心からの表現 第67回東京都合唱祭
2012年7月22日、新宿文化センター大ホールで行われた東京都合唱際に出演してまいりました。
私が、代表と指導を務める合唱団「コール・リバティスト」は、16時過ぎに出演。佐藤眞作曲の合唱組曲「蔵王」より第1曲「蔵王賛歌」と第9曲「早春」を演奏させていただきました。
新宿文化センター大ホールは1802人収容のホールで、合唱としては大きめのホールです。後部座席まで声が届くか心配していました。
しかし、本番が始まってみれば声はよく出ていたようです。なんと62名の方々から丁寧な批評をいただけ、「よく響いていた」「迫力があった」「雄大な蔵王が見えるようだ」とのご意見をもらえて安堵しています。
練習し始めて、2ヶ月で譜読みをして暗譜で本番にのるのは大変なことですが、よく乗り越えられました。1年前に比べると格段に成長しています。
最終的な本番である5月19日の浜離宮朝日ホールでの定期演奏会まで、10ヶ月ありますので、技術的には、さらに確実に音程を決めること、フレーズの出だしが揃うこと、高音でフォルテ以上の響きの追求、そして、蔵王の気高い音楽性の表現なども勉強していきたいと思っています。
著名な8名の先生方にご批評いただけるのもこの合唱祭の魅力。
下記にその抜粋をご紹介させていただきます。
「見事な佐藤眞先生の「蔵王」・・・スタートの圧巻でした!!2曲目については皆様の技量の発起充分でP(ピアノ=弱い)~f(フォルテ=強い)と丁寧に歌い進めて、正しくcond.(指揮)の先生の持ち味に応えていました。」
「息のスピード感、marc.(マルカート=音をはっきり)とlegato(レガート=音をなめらかにつなげて)の対比素晴らしかったです。男声は音域的な面で難しい曲ですが、バランス良く、無理なく整えており、感動しました。1曲目と2曲目を拝聴し、間も含めて全曲聴かせて頂きたくなりました。」
「佐藤眞先生の名曲をしっかりと歌い上げました。強弱のメリハリや場面に応じた音色の使い分けも良かったです。ピアニスト好演。素敵な演奏を有り難う。」
「滑らかに流れる音楽の創り、温もりのある声の響きとても素敵でした。欲を言うとsop.の音色が喉を開けて自然な発声でできると最高です。」
「スケール大きく伸びやか。作品に相応しですね。名曲はいつも新鮮と思わせてくださる素敵な演奏でした。情景が浮かび上がります。心象として。自然で生き生きとした流れの成果ですね」
「伸びのある声とハーモニーによるスタート。とても印象的です。男女分かれてのかけあいになるとやはり男声がすこし引っ込んでしまうのが残念。全体的なハーモニーは悪くありません。」
「f(ファオルテ=強い)もP(ピアノ=弱い)も良く響く発声が見事です。古典的名曲に正面から取り組んで心からの表現が胸を打ちます。感動しました。」
「豊かな響きでホールを満たしてくださいました。2曲目のテノールは同じような高さで連続するのでフラットからですよね。2度の下降の巾が広過ぎ、上向がせま過ぎ傾向がありました。」
いずれも、例年に比べるととても良い批評をいただけました。
前回、中田喜直の作品で苦労したのも良かったですね。皆さんの努力が確実に実を結んでおられるということです。
来年の定期はさらに良い演奏になると思います。