世界に通用するものとは
世界に通用するブルーチーズ。
それは北海道、江丹別の青いチーズ。
伊勢ファームの伊勢昇平さん(26歳)が丹精込めて作っています。
一昨日朝のNHKニュースで伊勢さんのチーズを特集しており、思わず見入ってしまいました。
チーズを作るために搾る牛乳の牛は、江丹別の草しか食べていません。
そうすることで、その土地ならではの個性が出るのです。どんな牛乳でも良いわけではありません。
伊勢さんのこだわりはそれだけではなく、搾りたての牛乳は手で運びます。足元の悪い雪の上を重いタンク持って歩くのは大変な作業です。
ポンプを使うと牛乳の分子構造が壊れてしまい、不快な味につながるからだそうです。
運んだ牛乳はすぐに加工します。
「素材の力の100を101にすることはできない。味を美味しくするのはそこがすべて」
と伊勢さんは言います。
作るのは、江丹別の気候にあったブルーチーズ1点のみ。
そして、「江丹別の青いチーズ」と地名をつけました。
ヨーロッパでは、チーズに地名をつけるのが王道です。
その地域の良さや、どういう地域なのかを想像しながら食べる楽しみがあります。
札幌の老舗フレンチのシェフも、「フランスのブルーチーズと遜色ない味」と絶賛していました。
伊勢さんは、「大好きなふるさと、江丹別の魅力をチーズという形で表現したい」と、熱い思いにあふれています。
日本の地方でも、個性を大事にしていくことで世界に通用するものができるのですね。
クラシック音楽の世界は、「ヨーロッパが本場である」という考えがどうしてもつきまといます。
しかし、日本人しか表現できないものもあるはず。
例えば、歌曲でいえば日本語の作品は、日本人以上に表現できる外国人はいないでしょう。
最近「グローカル」という言葉を聞くようになりました。
誇りを持って世界に通用するものを作っていきたいですね。