間違ったっていいじゃない 間違いを恐れるほうが怖いこと
誰だって間違えるのは好きではないですね。
合唱のような集団音楽の場合、間違いが分かりやすいのは曲の最初やメロディの歌い出しです。
音を外してしまったり、皆より飛び出してしまうとすぐに分かってしまいます。
だから、もし心配な場合は、誰かが出てから歌いだしたほうが確実に間違いは防げます。
しかし皆がこれをやってしまうと、フレーズの頭で少しずつズレながらモヤモヤとスタートし、そのあと皆の音が揃って良くなり、せっかく良くなったのに、また次のフレーズでもモヤモヤと立ち上がり・・・という繰り返しが起こります。しかも、出だしの音色がいつも心配そうに薄いと消極的な演奏に聴こえてしまいます。
合唱というのは、一人一人がものすごく声が大きくなくても、皆がそろっていれば音が良くなるという特徴があります。
だから、できるだけ皆が同時にスタートする方が、より上手に聴こえるというわけです。
そうは言っても、不安なところだと、飛び込むのはちょっと勇気がいりますね。
失敗は練習のときにたくさんやっておくといいです。
私は、練習で積極的に歌っての飛び出しは、「いいですよ。その調子」と言います。それは良い間違いだからです。聴けばわかります。
練習において飛び出すことを指摘しずぎると、消極的な音楽になってしまいます。
なにせ、飛び出せば、飛び出した本人が一番驚いて恐縮しています。
これでもう十分ではありませんか。その方はその場所を本番で間違ことはもうありません。
積極的な演奏を何度も練習することでしか、良い音楽作りはできないのです。
間違えることを恐れずぎると気持ちが消極的になって音楽も生命力を失います。
私は、これが一番怖いことだと思っています。
だから「完璧」なんて全く期待してない。
それより、音楽の「役」になりきって、思い切り表現して、積極的に生き生きとした音楽を演奏してほしいのです。
フジコ・ヘミングさんがおっしゃってますね。
「間違ったっていいじゃない。機械じゃないんだから。」
失敗を恐れずにチャレンジしていきたいですね!