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ライフワークとしての学びを考えます。

なぜ100人が合わないのか

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昨日の記事で「合わせること」について書きました。
 
しかし、いくら指揮者が「ここ聴きましょう」と合わせるようにトレーニングをしようとしても、ダメな場合があります。
 
本当に基本的なことなのですが、これは、楽団員全員が、楽譜という「ガイドブック」の「記号」を正確に読み込める知恵と技術を持ち合わせているからこそできることなのですね。
 
だから、100人が合わせようと思ったら、簡単に言うと、
 
1、一人一人が自宅で楽譜を読み込む
2、同じ音を演奏する数人~数十人のパートが合わせる
3、100人が合わせる
 
といプロセスが必要です。
 
音楽的な基礎が出来ているプロフェッショナル集団ならば、3番からいきなり始めても、指揮者の仕込みが上手ければパーフェクトに合うと思います。
 
1~2の段階を間違えると、どんなに3に時間をかけても最後まで合いません。
  
それではなぜ1~2が大事なのか。
簡単なところから見直すと、例えば、同じ付点音符のリズムを「タアアタ」と勘定する人と、「タアタ」と勘定する人がいれば、どんなに観念で合わせようとしても当然ずれていまいます。
 
全体で、何度も「違いますよ。良く聴いてあわせて。」と稽古しているうちに偶然合う事こともありますが、日にちがたって合わせるとまたずれてしまう。これは、上記のような楽譜の記号を勘違いして読み込んでいるからですね。そこを修正していく作業が必要なのです。
 
あと、気をつけていただきたいのが、CDの聴き覚えです。
人間の耳は案外不正確。
リズムの細かいところまでは聴き取れないんですね。
小さい頃から音楽をやっている人でも、音大受験で「ディクテーション」という音を正確に聞き取る聴き取り試験で苦労してますから。
 
ぜひ、「もう覚えた」と思っている楽譜でも、もう一度新しい気持ちで見直してみてください。 
あの小澤征爾さんは、あんなに有名になっても、今でも毎朝4時に起きて楽譜を「読み込んで」います。
楽譜を読むってとても大事なことなんですよ。

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