心が定まれば、何もしなくともすでに雰囲気が変わっている そんな不思議なことが起こる
昨日は待った日でした。
自分のことでもないのにただひたすら待つ。
この心細さ。居心地の悪さ。
何時間も待たされているとき、ロビーのテレビでは春のセンバツ高校野球を放映していました。
高校野球など、ここ数年ゆっくり見たこともないことを思い出し、ふと画面に見入ってしまったそのときのこと。
チームのピンチにおいて監督が選手を送り出すそのシーン。
「よし、行って来い!大丈夫だ。」
激戦をくぐり抜けてきたとはいえ、まだ高校生。緊張とプレッシャーが選手の後姿からびりびりと伝わってきます。
そのとき監督は微笑みながら、選手の肩に手をかけていました。声は聞こえないけれども、そう言っているように感じられました。
そのチームは見事ピンチを脱しました。
しかしそのとき、戦ったのは選手であったのですが、なぜか監督が選手を送り出すシーンを思い出してしまったのです。
と同時に、もう一つ蘇るシーンがありました。
2011年サッカー女子ワールドカップ決勝、日本対アメリカ。
最後のPK戦。
佐々木監督が、メンバーを送り出したときの、あの笑顔。
元全日本監督の岡田武史さんは言います。
「勝利への執着心を持ち続けることです。運の要素が強いといわれるPK戦においてもリーダーの勝利への執着が強い方が勝つ」
「リーダーの心が定まれば、何もしなくともすでにチームの雰囲気が変わっている。そんな不思議なことが起こる。」
実際に戦うのは自分ではない。
けれども、実はそうではない。
運気を引き寄せるも、勝利に導くも、すべてリーダーの覚悟が定まっているかどうか。
「今のおまえにそれができるか?」
だれともなくささやく声がきこえたような気がしました。
迷いがある。心が波立っている。
それに気がついたとき、何も考えなくとも無心に手を合わせていました。
大事なことを教えていただいたと思います。