ブタ鼻で美しい声を
「軟口蓋(なんこうがい)を上げて~」
合唱の練習でよく言われませんか?
でも軟口蓋って何でしょう?
そして軟口蓋がどこにあるかも分からないコレをどうやって上げればいいのでしょう?
軟口蓋は、上あごの後ろ1/3くらいの柔らかい部分のことです。
指を口に入れて上あごをなぞりながら奥に入れていくと柔らかい部分に突き当たります。そこが軟口蓋です。慣れないで触ると少し「オエッ」となりませんか?
「素晴らしい歌声だなあ」と思う人は必ずこの軟口蓋が高く引き上げられています。
あくびのときや、うがいのときに上がっているのですが、大抵はどこが動いているのか良く分からないことが多いのです。
さらに強く意識するために、声楽家によっては、軟口蓋をスプーンでつついて刺激しながらトレーニングをする方もいます。やはり気持ち悪くなるのでしょう、「もう、最初の頃は洗面器を持ちながらやったんだよ~」と話していたのを聞いたことがあります。
そこで、軟口蓋を自然に刺激して意識できるようにする方法をご紹介しましょう。
通称「ブタ鼻」と言います。
呆気にとられたような顔をして、息を吸いながら「フゴフゴフゴッ・・・」と音を出してみましょう。
いびきをかくときの音に似ています。鼻の方まで振動を感じるようにしてみてください。
師匠いわく 「美しいブタ鼻ができるようにね」
絶対に「ガガガーッ」と豪快にやってはいけません。一定の音で途切れずに長さを保ちながら、ちょっと湿り気のある音色にできれば、良い「ブタ鼻」です。
また、「ブタ鼻」は軟口蓋やその周辺がリラックスしていないとできません。
ブタ鼻トレーニングは、発声に組み込むと効果的です。
1、ブタ鼻をしながら「フゴフゴ~」と息を吸ってみてください。
2、振動していた場所に舌をあてて、そのまま「ん~ご~」と発声します。
2で、舌を離すときに軟口蓋を引き上げることが自然にできて、楽に良い声が出るようになっていきます。
以前、ソプラノ歌手の女性と飲みに行ったときのことです。
かなり酔っ払ってしまったのか、ろれつの回らないしゃべりの合間に、無意識に「ブタ鼻」を行っていて感心したことがあります。(酔っ払うとリラックスするせいか、ブタ鼻が上手くできることもあります。)
プロはいついかなるときでも良い声を出すことが頭から離れないのだ、ということが分かりました。
今回のトレーニングは歌にとって大事な「共鳴」も関係あります。また今度書いていくことにしますね。