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息の流れはところてん

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朗々とメロディを歌っているつもりでも、実はぶつぶつと切れて聴こえるということはよくあります。ちょっとしたことを気をつけるだけで、上手に聴こえる方法をお教えします。
 
2011年8月20日、合唱団コール・リバティストにマエストロをお招きしての稽古でした。中田喜直作曲の混声合唱のための組曲「都会」より「ふりむくな」「子守唄」「都会」を練習しました。
 
この日は、旋律がなめらかにつながらないことを指摘されました。
 
歌は旋律がつながりやすいようにできているはずなのですが、結局息が止まってしまってがぶつ切りになってしまうようです。
聴いているとCDにエラーが起こってしまったような歌い方になってしまうんですね。
 
止まる主な原因は、息の流れが止まってしまう、子音で切れてしまう、母音でつながっていない、というのがあげられます。
 
フレーズをつなげるための練習として、まずは子音抜きで母音だけで歌います。
そのとき、まるでヴァイオリンやクラリネットで演奏しているように息を流していくこと。
大事なのは息の流れです。フレーズが終わるまで同じ太さで、ところてんを「天突き」でにゅーっと押し出しているようなイメージで息を流してみてください。
 
そして母音の音色を広く明るくそろえましょう。
「エ」と「イ」は、「ア」の口のまま、舌だけを上げていき、「ア~エ~イ~」と発声したときの響き。
「オ」と「ウ」は、「ア」の口のまま、唇だけをすぼめていき、「ア~オ~ウ」と発声したときの響き。
特に[e]や[i]はせまく暗くなるので注意が必要です。
 
母音が明るくなったり暗くなったりすると、聴くほうからすると、音が前に出たり後ろに引っ込んだり、でこぼこに聴こえてしまうのです。
 
母音が揃ってきたな、と思ったら子音を入れてみます。
子音で気をつけなければならないのは、「子音にも音程がある」ということです。
 
例えば「マ」の場合。
 
[m]と[a]のうち、[m]は口を完全に閉じて、[a]では開けますね。
[m]のとき[a]とは違った音程で歌ってしまうことがよくあるのです。下手をすると、ずり上げながら発声したりしています。
「m~ま~」と長めに発声して確認してみてください。
 
これは[n]や[l]や[r]などでも・・・子音で細かく音程のずり上げ、ずり下げをしている場合があるので少し注意してみるとよいと思います。
 
まだ発声が未熟だったとしても、「息、母音、子音」この3つを整理するだけでもかなり歌は変わってきます。
ぜひ気にしてみてくださいね。
 
中田喜直の音楽は、感覚的なハーモニーが独特です。他の「子守唄」や「ふりむくな」ではハーモニーで苦戦しました。
独唱用の曲も伴奏が入るとぶつかる音が多くて、一人で歌っていてもバランス感覚を失うことがあるくらいです。
 
ハーモニーがぐしゃ~とつぶれてしまっても、ホールではそれらしく聴こえますが、録音を聴くと本当に汚い。全ての音がクリアに響いていることが大事ですね。
これからは、息とハーモニー構築を頑張りましょう!

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