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ライフワークとしての音楽を考えていきます

流暢に話せば話すほど聴き手は理解しているのか?

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聴衆を引きつけようとして最高の情報を披露し、一生懸命しゃべればしゃべるほど理解されていないことがあります。
 
人は短い時間に受け入れられる新しい情報の量に限界があります。
新しいことを脳で咀嚼するには時間がかかるのです。
 
よく準備され、自信に満ちた声で繰り出される話を聞いていて、確かに素晴らしいと思うのですが、「あ~っ、今のところすごくいい内容!先に行かないで!ちょっと待って!」と感じることが多くあります。
 
以前の話しですが、ピアノのレッスンに行ったときのこと。
 
先生から、「速く弾きすぎて内容がすべって聴こえる」と言われたことがあります。
演奏会のために一生懸命練習しているうちに、自分の中では当たり前になってしまい、どんどん速く弾いていることに気がついていなかったのです。それどころか「まだ足りない、まだ足りない」とさらい続け、スピードが上がってしまっていました。
録音すると確かに速いのです。
 
だから、自分が遅いと感じるくらいに弾くと聴衆にはちょうど良いのだそうです。
 
話すときもそうですが、飽きさせないようと次から次へとハイテンポで話しても、聴衆の理解が追いついていないことがあります。話す側はよく知っていることなので理解できるのですが、初めて聴く人には少し時間がいるのです。
また、緊張したりテンションが上がると、さらに早口になってしまいます。
興奮しながらゆっくりしゃべる人はあまり見かけませんよね?
内容に追いついていけないと、だんだんと理解しようとすることを諦めてしまい、逆に飽きてしまうという残念な結果にもなりかねません。
 
思っている以上にゆっくり話していても、普通に聞こえています。
 
ゆっくり話すと良いことがあります。
自信に満ちて説得力があるように感じるのです。
さらに、話しに少し間をおいてくれたほうが、次の言葉を受け入れる体勢が整って、「それで?」「次は?」と熱心に聴くようになります。

時間をかけると「退屈しているのでは?集中が途切れるのでは?」とつい不安になってしまうものですが、意外とそうでもないのですね。トークのタイミングを少しコントロールするだけで、内容がさらによく伝わる。さらによく聞こえる。やってみる価値はあると思います。

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