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「優秀なリーダーはいるかいないかわからない」 岡田武史、田坂広志が語る日本型リーダーの真髄とは

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日本代表前監督、岡田武史さんと、内閣官房参与、田坂広志さんが語る「日本型リーダーの真髄」。
両氏が日本のリーダー論、究極のリーダーシップについての対談、Number782号の記事より、6つのリーダーの条件を私の感じたところで書いていきたいと思います。
 
<岡田論>
■その1、ロジックより勘を信じる
「直観は過たない。過つのは判断である」。決断は、無心の境地で素の自分になって、チームが勝つことだけを考え、パッと浮かんだ方をとる。それは直感的に美しいと感じられる戦略であることが多い。
 
■その2、勝利への執着心を持ち続ける
運の要素が強いといわれるPK戦においてもリーダーの勝利への執着が強い方が勝つ。しかし、最後の最後執念を燃やして敗れ去るならば、その姿を見届ける次の世代が必ずいる。
 
■その3、 「道」の精神を忘れない
戦いは己を磨くため、成長するため。その「道」の最後には「感謝」に行き着く。武士道があって強いメンタリティーをもつ日本サッカーは世界に対して「個」で勝てるはずだ。

<田坂論>
■その1、絶望的な状況でも決して諦めない
岡田さんの「まだ首の皮一枚残っている」は究極のリーダーの姿。100人中99人が諦めたとき、これが本気で言えるか。
 
■その2、運気の高まりを大切にする
組織が負けるときはリーダーの心に迷いがあるとき。リーダーの心が定まれば、何もしなくともすでに職場の雰囲気が変わっている。そんな不思議なことが起こる。
 
■その3、メンバー全員が成長できる場を作る
指導ではない「御同行」。人間成長をめざして心を一つにして同じ道を行く。人生を振り返るときあの仲間と巡り会えてよかったと心より思える場を創れるのがリーダーだ。
 
 
そして、共通してお二人がおっしゃっていたことは、これからは東洋的なリーダーの思想が必要だということです。
 
日本と欧米のリーダーの違いはエゴマネジメント。欧米型は自分の強力なエゴで組織を統率する。エゴが強すぎたり雑念を生むと、部下を殺してしまい、組織の力を引き出せない。
しかし、日本の優れたリーダーはエゴマネジメントが出来る。
「自分を殺す」のではなく、 「自分の存在が消えていく」
 
老荘思想、東洋的考え、「悪いリーダーは嫌われる」 「いいリーダーは怖がられる」 「一番優秀なリーダーというのはいるのかいないのかわからない。」
日本におけるリーダー思想は世界の水準から比べると数段深いのだそうです。
 
部下一人一人が尊い命を生きている人間であり、組織そのものを一つの生命体と考える。その生命力が高まると、監督は何もしていないが選手は生き生きと動き試合に勝った、となるのです。
 
現在は、サッカーの現場を離れている岡田さん。
田坂さんは、今の岡田さんのことを往年の大巨匠、ピアニストのアルトゥール・ルービンシュタイン(1887~1982)に例えていました。
 
ルービンシュタインは若い頃、タッチに原色の色彩感があり、スケールが大きく、絢爛豪華な演奏をしてきました。前人未到の山を征服していくような圧倒的な演奏。しかし、ルービンシュタインが本当に素晴らしくなったのは70歳を越えた頃からでした。華やかだったタッチを変え、一切の無駄を除いた音楽の本質だけを伝えるような、深い洞察力を秘めた演奏に変化していったのです。

岡田さんは「今はそぎ落とす作業中。まだまだ修行が必要」とおっしゃっています。
 
さらにどのような学びを得られて現場に復帰なさるのか。その時の姿が楽しみでもあります。日本のリーダーとしてさらに活躍していただきたいと思います。

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