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ライフワークとしての学びを考えます。

弱音はしゃべる

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音楽で、弱い音のときは柔らかくデリケートに、という意識になりがちだと思います。
 
2011年6月18日、コール・リバティストに東京混声合唱団のバス歌手、佐々木先生をお招きしての練習を行いました。
 
この日は、中田喜直作曲の混声合唱のための組曲「都会」より「若者たちよ」を練習しました。
 
ウィーン少年合唱団出身の合唱指揮者、ヴォルフディーター・マウラ氏は、
「ピアノ(弱く)の意味は、”しゃべって”」
とおっしゃるそうです。
 
作曲家がピアノ(弱く)と書いているところは、大事なことを言いたいところなのです。 
特に歌詞がついている歌曲や合唱の場合、言葉をより強くしゃべらなくてはなりません。
 
ピアニッシモ(最弱音)になれば、もっと重要なことを言っているのでさらにはっきりしゃべるのです。
 
ピアノやピアニシモだからといって、弱々しいということではないのですね。
 
以前の記事でも書きましたが、感動的なピアニッシモを演奏することほど難しいものはありません。かすれてしまったり、薄っぺらで無意味で内容のないものになってしまうのです。
 
発声はさらに訓練が必要ですが、「しゃべる」ことを意識することで、ピアニッシモを表現することも一つの技術ですね。
 
この日は他に、林光編曲の「日本の抒情歌集」より「中国地方の子守歌」を練習しました。
 
生まれた子どもとお宮参りに行く、日本の叙情的な原風景を描いた歌です。
あまりじっとりと情念的ではなく、軽やかに明るい声で歌いたいですね。

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