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「音楽はあったほうがいいと信じる」 紀尾井ホール演奏会

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昨日、2011年4月10日、紀尾井町にある「紀尾井ホール」にて合唱団コール・リバティスト第5回定期演奏会が開催されました。
 
現実は、大震災の影響により、開催中止や無期延期が相次いでいます。
自粛ムードも開催に歯止めが掛かっている一つの原因ではないかと思います。
 
このような状況もあり、言葉を尽くす必要があると考え、過去5回の定期演奏会の中で初めて開演前に代表挨拶を行いました。
以下、その一部を要約してお伝えしたいと思います。
 
 

今回の震災で、演奏会を実施すべきかどうか団員と話しをしました。
しかし、「このような時だからこそ、音楽をしたい、演奏会を行うべきではないか」という団員の強い想いがあったのです。
 
私自身にとっても、生きているということはどういうことか、音楽をするとはどういう意味があるのか、考えさせられる4週間でした。
 
生きることが優先され、被災地の現実を前にすると、音楽の存在はゆらぐように思えました。
 
しかし私は、音楽は人間にとって、あったほうがいいものではないか、と信じています。

何か力になりたい、一日でも早い復興の手助けをしたい、という祈りを込めて、被災地に募金をお届けしたいと思います。
責任を持って日本ユニセフに皆様の募金をお届けします。
 
プログラム前半では、祈りの気持ちを込めた、ルネサンス期のアカペラ宗教曲集。
日本の誇る美しい情景、日本の心を歌う、叙情歌集。
 
そして、後半では、水の命を人の命にたとえた、輪廻転生を歌う「水のいのち」。
本日この曲を歌うご縁は、必ず何かの深い意味があるのだと信じています。
 
音楽に心の明るさを求めて、今日私たちは演奏します。

 
 
会場の何百人の皆さんが、水をうったように聞いてくださり、そして全員一人一人の真剣なまなざしと目があって話しているように感じました。
 
素晴らしい日本の将来を感じずにはいられない瞬間。
 
この日の演奏会、募金はお願いしましたが、あえてチャリティーという形式にはしませんでした。
聴衆の皆さんからは、たくさんの募金をしていただき、また団員からも募金が集まりました。
 
有り難うございます。
必ず被災地にお届けします。
 
 
「心配してくれるのはありがたいけれど、自粛なんてしないでほしい。
皆いつもどおり、明るくやってほしい」
 
仕事で被災地に出向いた団員さんは、地元の方にこのような言葉をもらったそうです。
 
忘れてはいけない、風化させてはいけない。
そう思います。
しかし、その想いを抱きながら、今すべきことに真剣に行じていくことを誓います。
 
演奏会にいらしてくださいました皆様、本当に有り難うございました。

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