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ライフワークとしての学びを考えます。

歌は母音をつなぐ

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歌はやはり母音だと思います。
 
イタリアのベルカント唱法は、母音を美しく歌うのに最適な方法だといわれています。
なるべく、アイウエオすべての音が同じトーンで揃うように歌うことが大事なのです。
そうすることで、楽器のように音楽が豊かに自然に流れます。
 
2011年4月23日、合唱団コール・リバティストでテノールの大貫先生をお招きしての稽古を行いました。
 
この日は、スペインの作曲家ブストの作品「Ave maria」と「Pater noster」を練習しました
 
やはり「母音をそろえるように」というのを繰り返し熱心に注意されていました。
とくにエの母音は難しく、息が漏れたような音になってしまいます。
大貫先生は「eの母音はドイツ語のuウムラウトのように発声すると、ラテン系のeに聴こえますよ」と言います。
 
これは「ウ」と言うときの口の形のまま「エ」と発音することです。
こうすることで、口の中を広く保ったまま歌うことができます。
どんな母音でも口の中が狭くなってしまってはよくないということなんですね。
 
曲の練習でも母音中心です。
さらい始め、初期段階での練習方法をご紹介します。
 
1、単一母音で歌う
 
「lu」または「u」で全て歌います。
このとき狭い「ウ」ではなく、できるだけ「オ」に近い「ウ」で行ってください。
アメリカでもヨーロッパでも、教会音楽、ポップス系の軽いものでも、必ず「ウ」のサウンドで練習させられます。
 
2、母音だけ
 
曲の母音だけで歌います(子音はカット)。
注意するのは、スーパーレガートで。超なめらかにということです。
ブツブツと切れないように。息を存分に流してください。
 
3、子音をいれる
 
なるべく早く子音を処理し、母音に影響がないように。
2で練習した響きが子音を入れることでなくならないようにするというわけです。
子音を早くさばくのは、これはわりと技術がいります。訓練あるのみですね。
大貫先生は、ほっぺたをピッ、ピッ、と軽く叩きながら、子音を入れるタイミングを身体に覚えこませていましたね。これはいいヒントになります。
 
でもやっぱり一番重要なのは母音ですよ。
 
すてきなラテン語の歌が歌えるように。
初期のうちにしっかり覚えてくださいね。

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