お腹フリフリ発声法
このような事態でもありますが、今日は少し話題を変えてみたいと思います。
歌は横隔膜です。
そして、さらに歌が上手くなるためには、横隔膜と呼吸が連動することが必要です。
2011年3月5日、合唱団コールリバティストにプロ合唱団東混のテノール大貫先生をお招きしての練習を行いました。
この日は、呼吸と横隔膜についての指導がありました。
まず姿勢。究極は「ハト胸、出っ尻」です。
でも、本当にそうなってはいけないので、腰は引くようにします。
胸の部分は落としてはいけません。
ブレスをしたときに肺に十分な空気を入れるためです。
鎖骨の部分「デコルテ」と言われるところを良く見せるようにしてください。
それでは、呼吸してみましょう。
1、2秒吸って
2、2秒止めて
3、8秒かけて吐く
吐くときは、胸を落とさず、吸ったとき下がった横隔膜が戻ってくるだけ。何の力もいりません。
ただし、高音を出したり、長いフレーズを歌ったりした後、元の位置に戻すだけでは足りなくなります。その場合、さらに横隔膜をあげていくことが必要になってきます。
この時のコツは、巻き込むように使っていくこと。コレが出来るようになると上級者です。
かなり強烈に巻き込むため、クラッシックの声楽家は割りと逆流性食道炎が多いそうです。
胃液が上がってくるような感覚に陥ってしまうのですね。
胃は横隔膜の下にあり、横隔膜の上には肺と心臓しかありません。全ての臓器はその下にあります。だから息を吸ったとき横隔膜がさがり、内蔵を押し出すため、行き場を失った内蔵が下がったり、脇腹のほうに入り込み、お腹が出るというわけです。
「これが、若いうちは簡単に出来ちゃうんですよね。肋間筋や横隔膜が自然に使えるから。年齢を重ねると筋力がだんだん落ちていってしまうので、(続けるかどうか)考え始める人が多いですね・・・。」
とおっしゃっていました。
要するに、腹式呼吸とは、横隔膜の運動がしっかり出来ていれば、吸ったときお腹が出て、吐くとお腹が引っ込むという仕組みになっているのです。
でも「やっぱり分かりにくいよ!横隔膜。」という人にはコレです。
『お腹フリフリ発声法』
下半身は安定させて、腰を左右に振り子運動のようにひねりながら発声する方法を教えていただきました。子どもが「いやんいやん」するようなイメージ。腕は、高橋尚子さんが走るときの感じです。これをすると横隔膜の様子が分かるようになります。お腹が硬いとよい発声になりませんから、柔らかくする意味でも有効です。実践してみてコツをつかんでください。
声帯のトレーニングも必要ですが、基本はやっぱり横隔膜です。
この日は、パレストリーナの「バビロンの川のほとりで」を中心に、バードの「アヴェマリア」と日本叙情歌集より「この道」を練習しました。
お腹が使えるようになると、伴奏なしの曲も安定してくるのですよね。
なんだか安定しないな、と思ったら「お腹フリフリ」で歌ってみてください。