自分の都合を持ち込まないで
「自分の都合を持ち込まない」
これは、集団ですることであれば何でもそうだと思いますが、鉄則ではないでしょうか。
2月19日合唱団コール・リバティストに、東混のテノール志村先生をお招きしての練習を行いました。
そのとき、先生がさかんにおっしゃっていたのが
「自分の都合を歌や音楽に持ち込まないでください。それぞれあるかもしれないけど、クリアして音楽のために歌ってください。」
という言葉でした。
ちょっと音程をとるのに時間がかかってしまうとか、歌詞が言いにくいため遅れてしまうとか、息が足りなくて前のめりになってしまうとか、ここは気持ちを込めたいから強く歌いたいとか・・・個人の都合が出てくると、全体がまとまらないのです。
作曲家の林光さんが、日本の叙情歌を編曲した曲集があります。
その中で「この道」は特に有名ですが、この曲、最初の1ページがアカペラといって、ピアノの伴奏がつかず、人の声だけで歌うところがあります。
これが厄介なのは、1ページ歌ったあと、ピアノの伴奏がかぶさってくるところです。
そのとき、音程がおかしくなっていると、ピアノの音と合わなくなり、失敗したのがてきめんに分かってしまうのです。
この部分、プロの人でも緊張するそうです。
アカペラは、どこにも頼れない。ピアノもカバーしてくれない。自分の都合を持ち込んでいると絶対に合いません。全員協力体制がないとできないのです。
「この曲のアカペラは、本当は難しくない。
次にピアノが来ると思ってて、違うんじゃないか?ずれているのではないか?と思う気持ちが全体をどんどんずらしていってしまう。」
「アカペラでも歌える曲に伴奏がついて、伴奏がつくことでアカペラが生きてくると思って。そのために、アカペラをしっかりと練習してください。」
全曲アカペラで通すつもりの心構えで歌うことが成功の秘訣のようです。
難しいけれど楽しい。
日本人だから、日本人の心で。最後は感動的に歌えるといいですね。