ネット社会 自分がかかわりをもたない批評
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97歳の現役音楽評論家、吉田秀和さん。
東京大学の仏文科卒業した人です。
子供のための音楽教室を設立し、小澤征爾さんらを育てました。
今は、誰でも自分の考えをネットで発信できます。
しかしそんな中でも、吉田さんの骨太な批評は説得力に満ちています。
日経新聞2011年1月26日に吉田さんの記事が掲載されていましたのでご紹介します。
・・・・・(以下引用)・・・・・
皆が狭くて深いところへ逃げ、広く浅くを良しとしない風潮がうまれた。
価値判断を慎重に避け、批評より報告に近い形をとるようになった。
基本は「自分がかかわりを持たない」
音楽学の狭い塔に特化すれば、社会の大きな対象を扱わなくて済む。
専門化すればするほど、世界は小さくなる。ネットで批評を発信する人の多くも音楽を知識の対象とだけ考えている。
・・・・・(以上引用)・・・・・
ネット社会となり、誰でも、批評を発信できることは、素晴らしいことだと思います。
しかし、専門家は専門家だけの領域を守り、違う分野の専門に踏み込もうとしません。
以前、このブログに書きましたが、田坂広志さんがおっしゃっていた「スーパージェネラリスト」に通じる話だと思いました。
「むしろ、小学生から大人に至るまで生きる希望を見失い、すべてが疑問の対象となった社会の行き先が本当に心配だ」
という吉田さんの言葉が印象的でした。
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