「水のいのち」歌うポイントとは
高田三郎作曲の合唱曲、「水のいのち」をご存知でしょうか?
1964年に作曲され、以来アマチュア合唱団を中心に大ヒットした名曲です。
あまりに人気が出てしまったので、作曲家自身がアレンジした女声バージョン、男声バージョンが出版されるほど。
2011年1月18日合唱団コール・リバティストで、東京混声合唱団のバス歌手、佐々木先生をお招きしての練習を行いました。
この日は、「水のいのち」より「雨」「川」「海」を歌いました。
佐々木先生より各曲のポイントを教えていただきました。
「雨」は6拍子の曲です。
6拍子は、3拍→4拍のところと、6拍→1拍のところで、「コケッ」と詰まりやすいので注意が必要です。
この曲はアウフタクトと言って、6拍目からメロディが開始していることが多いので、この音を大事にとっていくことが詰まらないコツです。
それから「川」。
これは激しい急流を表現していますが、感情にまかせて勢い込んでしまうと最後まで持ちません。
何せ、5曲あるうちのまだ3曲目なのですから。
息の流れがない強い音は、力んだ音になってしまいます。
できるだけ太い息を空間の中に回しているような強い音をつくると大きく包まれるような音になります。
「海」は川から海に水が流れでたところを表現しています。
海が広がってキラキラと水面が輝いているイメージです。
PP(ピアニシモ=すごく弱く)は音量だけだと弱いですが、表現は強いのです。
グッと心でこさえてから声に出すと、音は弱いけれど強いメッセージが伝わります。
音楽で一番感動するのはピアニシモだと思います。
でも本当のピアニシモを出すのはとても難しいのです。
高田三郎さんはクリスチャンでした。
日本語の聖歌を高野喜久雄さんとたくさん作曲しています。
グレゴリオ聖歌のように、言葉を語りかけて歌うような手法で書いていますが、この曲において、語りかけるようなところは、それと同じ手法だそうです。
朗々と歌いこむのではなく、詩を語るように歌うと上手くいきます。
単なる自然描写を歌っているのではなく、人間の輪廻転生を歌い、宗教的な香りもする「水のいのち」ですが、そのような背景もあるのですね。
これから「水のいのち」を歌う方は参考にしてみてくださいね。