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誰でも持っている趣味や特技など好きなこと。それらを突き詰めて考えると、そこにはどんな考えが潜んでいるのか、企業活動において応用できそうな視点はどこにあるのか。ふざけた内容だと思っていても、真剣に考えることで新たしい角度で見ることはできるはずです。そう考えるとなんでも実は意味の連続性を持っているのではないかとも思います。知識ではなく考え方次第で変わってくるということを、実体験やとっつきやすい例で書いていきたいと思います。

エヴァ、導かれし2つのヒット

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 初めまして。某教育会社でマーケティングを担当しております、武者慶佑と申します。スターバックスコーヒーを経て、現在に至る異色の経歴です。第1回は自己紹介の意味も兼ねて、私が好きなアニメ「エヴァンゲリオン」について書かせていただきます。

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※エヴァンゲリオンは1995年10月4日から1996年3月27日にかけて放送された全26話のテレビ東京系列のアニメで、1000億円以上の経済効果をもたらしたと言われています。

 しかし、好きといってもキャラが好きとか、いわゆるオタク的なノリというわけではなく、エヴァンゲリオンを取り巻く深さを自分なりに考え応用することが好きなのです。

 どういうことか。

 例えば、本来王道アニメなどは主人公に感情移入をし、ストーリーを楽しむものかと思います。しかし、エヴァンゲリオンは主人公が視聴者により異なったり、ストーリーも使徒(敵?)を倒すストーリーと思いきや、心理描写に移行し、最終回でも使徒を倒しきったのかどうかもわからない状態で終わってしまいます。このようなことによって一般的には賛否両論のアニメなのですが、私はこのカオスな感じが逆に作り出されたものだとしたならば、スゴイことだと思い、独自に読み解くことが好きなのです。

 ここにエヴァンゲリオンヒットの本質があると思います。

 つまり、未完な部分が多いため、視聴者は自分なりにストーリーを補完し、自己投影をしながら見ることができるのではないでしょうか。多様性を受け入れたアニメなのだと思います。故に混沌としたカオスの中にいる大人によって時間をかけてヒットし続けたのではないでしょうか。

 これは現在のWEBマーケティングの進化の中で、より顧客より個客にフォーカスしている現状に応用できるのではないかと思っております。そして、今、テレビアニメ終了から10数年のときを経て、改めて映画ヱヴァンゲリヲンが始まりヒットしている。これはまた違う要素のヒットだと考えます。

 テレビ版で私達はそれぞれがストーリーを補完したものの、人間の本能として「こうあって欲しかったな」という感情の部分の共通点はあるはずです。映画ではその部分を一つ一つクリアにしていっているのだと思います。例えば、

 碇シンジはお父さんと仲良くなるのか? とか、

 綾波レイは死ぬのか?

 アスカは誰が好きなのか? などなど。

 この辺りはマスの方向性に合わせたカタチで映画では明確になってきています。そう考えると、テレビアニメ版を市場アンケート調査と考えて、できるべくしてできた王道のヒット作品とも思います。マスに向けての商材を生み出すとき、私たちは異なる一つ一つのニーズに対して、それぞれ応えていてはキリがありません。集合体を俯瞰し、当たりをつけて商材を生み出す必要があります。

 それぞれのカオスを補完する小さなヒットの継続と、そのカオスの集合体を捉え、マスに向けた大きなヒットを兼ね揃えたエヴァンゲリオンは最強なのではないかと思っています。

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 とまぁ、自己紹介の「エヴァンゲリオン好き」という点だけでも書くとキリがないのですが、心理とビジネスを絡めて書いていければと思っています。

 今後ともよろしくお願い致します。
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