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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

複合機を起点に中小企業のデジタル変革に貢献する

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 デジタル化が叫ばれているけれど、多くの企業にはまだ複合機が鎮座していることだろう。紙の資料を全くなくすことは、多くの企業ではまだまだ難しいのが現状だろう。

 まだまだオフィスからなくならないとはいえ、紙の利用は減っており複合機やコピー機、プリンターを提供しているベンダーのビジネスは苦戦を強いられている。富士フイルムが買収を断念したXeroxは、自分たちよりもかなり大規模なHP社の買収を諦めていない。生き残りのためには、それくらいのチャレンジが必要との判断だろう。

 他にも国内にはリコーやキヤノン、コニカミノルタなど複合機を提供しているベンダーがあり、彼らも生き残りのために自らの複合機のビジネスの変革に取り組んでいる。

 主に中堅中小企業をターゲットにビジネスを展開しているコニカミノルタでは、複合機のサービスから顧客ワークフローのデジタル変革を行い、データ活用プロセスのデジタル変革、さらにデータエコシステムのデジタル変革というステップで自らを改革しようとしている。

 コニカミノルタでは、自社でのデジタル変革の経験をもとに複合機を使ってくれている顧客企業に新しいソリューションを展開することになる。そのために同社では顧客が「Intelligent Connected Workplace」を実現できるようにサポートすると言う。

 顧客企業は、働き方の成熟度によりレベル分けできる。レベル0は、紙や帳票に縛られており、働く場所にも縛られている状況。レベル1は、プロセスがITでつながりデジタル化がはじまりいつでも働ける環境。レベル2は現場同士がデジタルでつながりどこでも働ける環境。そしてレベル3が必要な人やナレッジがつながり「いつでもどこでも誰とでも」価値創造ができる環境だ。

 それぞれの顧客が現在置かれているレベルを、段階的に引き上げていくのがコニカミノルタのIntelligent Connected Workplace実現の戦略となる。そう言うのは、同社常務執行役 デジタルワークプレイス事業 DXブランド推進 IT担当の仲川幾夫氏だ。複合機の販売、提供だけでなく、既にこの取り組みを始めており、いくつかの事例も出ているとのこと。

 たとえば、きっかけは文書管理の変革で、そこからコニカミノルタがアセスメントを行い業務改善を行うためのアプリケーションサービス「Workplace Hub」を提供、他社の複合機を置き換えた事例がある。また顧客データやPOSデータなどを収集して分析し、消費者の行動をデータドリブンで把握できるようにした事例でも、複合機をWorkplace Hubにすることで実現している。

 これは複合機という存在を、紙のドキュメントをデジタル化するツールで終わらせるのではなく、さまざまなアプリケーションを取り込み、組みあわせることで、複合機を新たなデジタル変革の取り組みの核とすることになる。中小企業などで専任のIT部門がないような組織であっても、複合機はオフィス内に設置されているだろう。それをコピー機として存続するのではなく、置き換えてデジタル変革の核にするというのは、中小企業へのアプローチとしてはありかもしれない。複合機がいつのまにかデータを収集し、それを分析して活用できるようになれば、IT部門がなくても小さなデジタル変革を始められるかもしれない。

 複合機を窓口にするので、サポート体制もコニカミノルタや今まで複合機を提供してきたパートナーが一本化して担えるのもメリットだろう。専任のIT部門がないようなところが、いくつものベンダーを選定し、それらを使いこなすのはそう簡単ではないからだ。

 この複合機から入るアプローチでは、RPAとの組合せも有効そうだ。すでにコニカミノルタでは自社でオートメーション・エニウェアのRPAをさまざまな業務に適用して大きな効率化を実現している。自社で実践したRPAのノウハウを今度は、Workplace Hubで顧客にも提案することになる。

 とはい、これまで手離れ良く複合機を販売してきたような企業が、顧客企業にすぐにデジタル変革の提案ができるわけではないだろう。これまでのパートナーをいかに新しいWorkplace Hubを活用するデジタル変革が提案できるようにするのかは、コニカミノルタの今後の戦略における成否の鍵となりそうだ。

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