オートメーション・エニウェアが好調、RPAの勢いはどこまで続くのか!
IT業界ではRPAが元気だ。人手不足対策や働き方改革のために、無駄な業務を減らすといった効果を目論んでの採用が増えている。
グローバルでもそこそこ伸びているが、日本市場が特に勢いがある。昨日大規模なイベントを開催し、記者会見も行ったエンタープライズ型RPAベンダーの大手オートメーション・エニウェアでは、日本が同社のマーケットでは米国に次いで第二位の規模に成長している。
RPAを上手く利用すれば、レガシーシステムを改変することなくシステム連携なども簡単に実現できる。最近ではまだまだたくさんある紙の書類ベースの業務を、AIを使ったOCRなどで読み込んでペーパーレス化し自動化するところでもRPAが活用されつつある。
便利で現場担当者がロボットを作れるような機能も実装され始めているので、有効だと判断した企業ではロボットが増える。そうするとロボットの統制が効かなくなるので、集中的にロボットを管理して、動きを監視するエンタープライズ型のRPAが勢いを増している。
RPAは確かに便利そうだが、不用意に使ってしまうとレガシーシステムの塩漬けに加担するとのネガティブ意見もある。とはいえ、大手企業などには数1,000ものアプリケーションが稼働している情況もあり、それらをすぐにモダナイズすることはできない。中にはモダナイズの優先順位が上がらないものもあり、改変できずに人が手間をかけて使い続けなければならない情況もある。なので、そういったシステムはRPAで軽やかに連携させ、人の手間を削減する。そこで浮いた分を他のモダナイズやらデジタルトランスフォーメーションやらに当てましょう、というのがRPAベンダーの主張だ。
これはある意味、クラウドの既存システムのリフトとも通じる。リフトすることでハードのしがらみから解放され、そこで浮いたぶんを他へ投資しましょうと。問題はRPAでつないだりリフトしたりするところで終わらせずに、次なるシフトをしっかりと考えて取り組むことだ。永遠にRPAを使い続けるのではなく、できれば期限を決めてRPAを辞めモダナイズする計画を立てた上でRPAに取り組むべきなのだろう。
ところで、ビジネスが好調なオートメーション・エニウェアでは、日本のオフィスを拡大中で絶賛人員も募集中だ。CEOのミヒール・シュクラ氏は、年末までに日本のスタッフを200人に増やすと言う。同社はすでに大阪、名古屋にも拠点を構えており、これも増やしていく。結果的に3年後には今のペースで人員を拡大すれば1,000人規模の日本の体制になるとも。日本の海外ITベンダーで1,000人を越える規模の事業所を展開しているところは、IBMやOracle、Microsoft、Salesforce.comなど、一部グローバルな巨大企業以外ない。
オートメーション・エニウェアの日本の体制が、3年後に本当に1,000名を越えるようであれば、RPAがIT業界の中で確固たる地位を築き、1つの分野として確立することになるだろう。日本の人手不足の状態でこれを実現するのはそう簡単ではない。さて、RPAの勢いはどこまで続くだろうか。個人的には、RPAなんだからロボット増やせば人員増やさなくてもビジネス拡大できるのでは、と思ってみたり。