ソフトウェア・デファインド・工場とか、工場・アズア・サービスとか
今週は、業界特化のマイクロバーティカルERPに強味をもつInforの年次カンファレンスイベント「Inforum 2017」の取材で米国ニューヨークに来ていた。
Inforは日本でも製造業などではそれなりに採用が多いERPアプリケーションを提供しており、Amazon Web Servicesと組むことでグローバルレベルにクラウドのサービスも展開している。今回のイベントのタイミングでは、先日買収したクラウドBIツールのBirstをいち早く(実質1ヶ月程度で)Inforのアーキテクチャに統合したり、「Coleman」というAI機能の提供を発表したりと元気なところを見せていた。ちなみに、CEOは元Oracleのプレジデントで次期ラリー・エリソン氏の後継者と目されていたチャールズ・フィリップス氏が勤めている。
製造業に強味を持つこともあり、製造業が大きく変わってきている、製造業のこれまでの常識とは認識も変化しているなんて話を、イベント期間中耳にすることがたびたびあった。たとえば工場というのは大きな建物があって動かないことが当たり前だけど、大きなトレーラーに製造の設備を搭載し、原料のあるところにそのトレーラーを持って行って製造するなんて話も。これは冗談ではないようだ。
そんな話を訊いていたら、ソフトウェア・デファインド・工場というか、あるいは工場・アズア・サービスみたいなものも将来的には実現していくのかなぁと。仮に3Dプリンターで生み出すようなものの品質が十分に上がってくれば、製品仕様だけをインプットすればどこでも欲しい形のものができるわけで、金属加工、プラスチック加工などの汎用工場を適当に選んで組み合わせると、欲しいものの製造ができるなんて世界もまんざら嘘ではないのかなと思うところ。
もちろん、そんな工場で作られるものの品質をどう担保するかなど課題もありそうだけれど、ものによってはこういった製造の仕方でも十分に使えるものができあがるのかもしれない。どちらにしても日本では比較的保守的ととられがちのもの作りの世界も、大胆な発想転換をしていかないと、将来の予測もつかないような変化に、追随も対応も、先行もできないのだろうなと思うところだ。