エバンジェリストではなくてもプレゼンはうまくなりたい【書評】エバンジェリスト養成講座
ブロガーでもある西脇さんの書籍『エバンジェリスト養成講座 究極のプレゼンハック100 』が献本された。究極のプレゼンとはいかずとも、プレゼンは上手くはなりたいよなぁと常々思うところだ。
ちなみにこの本、目次はこんな感じ。
CHAPTER 1 プレゼンテーションとは
CHAPTER 2 対象の特定
CHAPTER 3 テーマ・シナリオ
CHAPTER 4 スライド作成、デモ作成
CHAPTER 5 当日までの準備
CHAPTER 6 本番
CHAPTER 7 その後
これだけだとよくわからないけれど、中身はすぐに役立つプレゼンのポイントが、たくさんの実例とともに紹介されているというもの。巻末にある「プレゼンハック100」を読むだけでもけっこうためになる。
基本的には、西脇さんが講師で何度か行われている「エバンジェリスト養成講座」というセミナーの内容を踏襲するもの。「相手が1人でも100人でもプレゼンテーションです」といった話から始まり、彼が実践しているプレゼンテーションの極意が詰め込まれている。興味深いのが彼独自の分類でプレゼンやデモを分類しているところ。オーソドック型、フラッシュプレゼンテーション型、さらにはスティーブ・ジョブズ型といいたものがあり、それぞれに適した対象、活用方法を解説している。個人的には若干「そうかなぁ?」と思うところもあるけれど、そのあたりはもしかすると「自分ではこの方式はうまくできないな」という意識があるからしっくりこないのかもしれない。
著者の西脇さんのすごいことは、この本に書かれていることをすべて普段実践しているというところ。机上の空論ではないのだ。さらに、日々それを進化させているので、理論はわかっても私なんぞはそうそう真似できないなあと思ったり。じつはこの人、すごく仕事好きなんですよね。そこまでせんでもいいだろうってくらい準備して、本番もがんばるタイプの人。なので、その姿勢そのものが、彼のプレゼンには出てくるし、その方法論がこの本の中で語られているわけだ。
じつは自分は、独立してしばらくプレゼンをする機会が少なかった。しかしながらここ最近は、電子書籍に関する仕事を始めたせいもあり、プレゼンをする機会がどんどん増えている。大勢の前でセミナー講師を勤めることもあれば、数人に対しじっくりと説明する機会も増えている。最近になりやっと慣れてきたかなってところだけど、まだまだ相手の情況に合わせ最適なプレゼン手法を選んでいるとは言いがたい。どちらかというと、自分のスタイル、自分のペースで一方的にしゃべってしまっていることが多いのだ。そんなわけで、エバンジェリストを目指すわけではないけれど、改めてこの本読んで自分のプレゼンスタイルの検証をしてみようかとも思ったり。
エバンジェリストという職業については、この本の冒頭に解説がある。
エバンジェリストとは、ひとことで言うと、「お客様やパートナー様に必要とされる最新のテクノロジーをわかりやすく具体的に説明する仕事」です。
これは西脇さんが所属するマイクロソフトのエバンジェリストということになるが、会社が変われば説明する内容が変わるということ。まだまだ日本では馴染みのない職業だけれど、今後は増えていくのではと思う。
まあ、エバンジェリストではなくとも、対外的接触要素がある仕事をしているのならば、どんな職種であるかにかかわらず、プレゼンは必須のスキルだろう。これ、入社3,4年目で人に会って説明する機会が増えている社会人、これからいろいろとアピールしていかなければならない就職活動を控えた学生さんなどにも参考になる書籍じゃないかと思うのだった。