運用管理費年1300万円は安いのか高いのか
本日、日本オラクルが中堅中小企業向けのERP製品の戦略発表会を行った。
詳細は、上記を参照してもらいたい。この発表の中で、年商100億円以上の企業向けに、JD EdwardsをOracle OnDemandのサービスとして提供するという内容があった。Oracle OnDemandのサービスというのは、いわゆるプライベートクラウドのサービスだ。Oracleのデータセンターの中に、その顧客専用の環境を用意し、管理、運用の一切をOracleの専門家が引き受けるというもの。この際の費用として、アプリケーションのライセンスと保守費用は除いて、OnDemandのサービス、つまり運用管理の部分だけで年間1300万円からの費用がかかるとのこと。
この数字を聞いたときに、これ、ちょっと高いのかなとも思った。が、冷静に考えてみれば、年間1300万円というのは、それなりのエンジニア1人ぶんの人件費程度。ERPのお守りとなれば、実際には2人から3人のエンジニアが必要になるかもしれないし、さらにはハードウェアの管理、保守コストも考えれば十分にリーズナブルだと言えるのでは。
なんて話をFacebookのウォールに書いたら、OnDemandのサービスなら雇ったエンジニアが辞めちゃうとかいう心配もしなくて良いし、教育の手間もないのでさらにメリットがあるだろうとの指摘も受けた。デメリットを強いて挙げるならば、一度このサービスを使い始めると抜け出せないことくらいかとの意見も。
メリットは他にもありそうだ。昨今話題の災害対策なども、基本的にはOracle側がやってくれることになる。また、消費電力の心配もなくなるだろう。個人的にもしかしたらデメリットになるのかもと思う部分は、エンジニアを自社に抱える必要がなくなるので、社内にIT技術やそれを使いこなすためのノウハウ蓄積がしにくくなるというのがありそうだということ。一度、便利で楽な環境を手に入れてしまうと、いざ何か変革したいときに、十分な戦略を立て行動することができるのだろうかと心配になる。Oracle OnDemandのようなサービスを使いこなすというのは、相手に委ねるだけでなく、新しくて良いサービスが他にもあるかもしれないというアンテナだけはしっかりと張り続けておく必要もあるのかもしれない。