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メディアのプロのお仕事

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 メディアの仕事は、否が応なく変わらざる得なくなっている。

 1つの大きな影響は、Ustreamなどの中継とTwitterだ。先日のソフトバンクとドコモの新製品発表でもこれらが活用され、多くの関心の高い人達はメディアからニュースが出る前に情報をゲットしてしまう。それも、記者というフィルターなしに生の情報にアクセスできる。場合によっては記者よりもその分野に精通している人もいるわけなので、そういった人のつぶやきを追いかけていれば、メディアのニュースからは読み取れない深い情報が得られたりもする。

 すでにライブで情報を得てしまうと、その後に出てくるメディアのニュースは確認のために読まれることになる。ともすれば、タイトルを見ただけでスルーされかねない。これからの時代、これはもういかんともしがたいことだろう。

 さらに、Ustreamなどの中継は、発表会現場に取材に行っている記者にも辛辣な状況を生み出している。発表会で質疑応答の際には、どのメディアの誰なのかを告げてから質問をするのが普通。その状況で下手な質問をすれば、自分の記者としての無知さをさらけ出すことになりかねない。実際、発表会の質疑応答ライブ中継の際に、そんなこと聞いてもしょうがないだろうといった質問があると、Twitter上ではボロボロに批判されてしまう状況を、これまでにも何度か見かけたことがある。

 気の利いた質問、それも中継を観ている人たちも納得してくれるものをなんて考え始めたら、なかなか手を上げられなくなりそうだ。それをものともしない図太い神経が、これからの記者には求められるのかもしれない。これは、今後のメディアの記者たちのプロフェッショナルな部分のあり方が、結果としていい記事を作るということ以外のところにも、求められるとも言えるだろうか。

 ところで、今日届いたITmediaからのメールマガジンがちょっと面白いなぁと思ったので紹介しておく。通常のメールマガジンは、サイトに新しく掲載された記事のURLと簡単な紹介が羅列されているだけで、私の場合などはほぼメールを縦に読み、ちょっと引っかかったものだけクリックするという感じだ。メールの文章にじっくりと目を通すことはまずない。ところが今日のメールマガジンは、ちょっと違っていた。記事の紹介はもちろんあるのだけれど、その下に編集サイドの見解が簡潔に記載されていたのだ。

 記事には記載されていないけれど、周辺にはこういう動きもあるといったようなことが書かれていて、なるほどなと納得させられるものが。中継のような手法が出てきた以上、Webメディアでさえ速報性では勝負できなくなりつつある。そうなると、どこでプロフェッショナル性をアピールするか。こういうところが、その1つになるのかなぁと思った次第。紙と違って過去記事も自由に取り出せるわけだから、リンクに飛んだら事象の流れを記事で追えるような別のリンク集を揃えておくようなこともできるわけで、読者を惹きつけるための工夫の余地はまだまだありそうだ。

 地道に1つのことをやり続けてその技術を高めるプロもあるだろうし、環境の変化に合わせて自らのプロフェッショナルな部分の表現も柔軟に変えていく。どちらもプロでやっていくには、重要なことなんだろうなぁと思った次第だ。

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