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やっぱりOracleがSunの救世主になるのか!!

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 3月27日に「Oracle、HP連合がSunの救世主に!?」というエントリーを書いた。そのときはうわさ話程度で、あまり真実みはないかなと思っていた。

 が、しかし、OracleがSun Microsystemsを買収するというニュースが飛び込んできたのには、驚いた。ロイターの記事『Oracle to buy Sun Micro for $7.4 billion』によると、IBMの$9.40の提案に対してOracleは$9.50の提案をしているらしい。いやあ、Oracle単独での買収は考えても見なかった。ITmediaにも記事が掲載された。

 ここ最近、HPと急接近のOracleだけれど、もともとSunとは非常に仲がよかった。数年前までは、まずはSunのマシン上で新製品のデータベースは開発され、それがそのほかの環境にポーティングされていた。なので、もっとも最初にOracle Databaseが登場するのがSunのマシン用だったのだ。米国で行われるOracle OpenWorldでも、Sunのスコット・マクネリ氏のキーノートはいつも盛況だったことを思い出す。それくらい良かったSunとの仲だが、PCサーバーやLinuxが台頭してきからはちょっと雲行きが怪しくなっていた。SunのSMPの高価なマシンはDellなどの格好の標的になってしまったのだ。OracleのRACやグリッドなどの考え方もSMPの大きなマシンよりも、安価なPCサーバーをたくさん並べるほうがしっくりくるアーキテクチャだった。

 でも、けっきょくSunに助けの手をさしのべたのはOracleだったわけだ。この2社であれば、文化的にはIBMよりは近いものはあるかもしれない。ただ、Oracleはあくまでもソフトウェアベンダーだ。つい最近、HPと組んでOracle Exadataというハードウェアの提供を開始したが、やっぱりハードウェアを提供する文化はない。仮に買収が成立したときに、どのような形でSunのビジネスが継続されるのかは今の段階ではわからない。ソフトウェアだけOracleに統合され、ハードウェアの部分はSun Microsysytemsという会社自体は残るかもしれない。

 まだ、どう落ち着くのかはわからないが、Oracleという会社が米国IT企業のなかで、西海岸地域のリーダーであるのはどうやら間違えなさそうだ(マイクロソフトも西海岸と言えば西海岸か)。

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