SaaSの定義
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今年は、仮想化、SaaSに関連する取材を数多く行った。来年も引き続き、この2つはIT業界の流行のキーワードとなることは間違いないだろう。
ところ、SaaSだが、ここ最近はどれもこれも、インターネット越しのサービスだとSaaSを名乗る傾向にあるように思う。間違いではないのかもしれないけど、ちょっと違和感も感じる。
それではSaaSと呼べる最低限の条件は、いったいなんだろうかと考えてみた。これまでの各種取材などを通じた個人的な見解としては、
- マルチテナンシーであること
- インターネット越しに多くのユーザーが1つ(あるいは複数)のサーバーを共有することで、コスト効率よくサービスが展開されている
- 費用の支払い方がサブスクライブ方式
- ライセンスは買い取り方式ではなく、利用した分だけを支払う方式を採用していること
- カスタマイズが可能
- サーバーは共有はする形だが、すべてのユーザーが同じサービスを与えられるがままに利用するのではなく、簡単な設定や用意されたスクリプト言語などで自分用にカスタマイズが可能
じつは、GmailのようなサービスをSaaSというのは、いかがなものかと個人的には思っていた。SaaSというよりはオンラインサービス・ソフトウェアくらいなものかと。
ところで、So氏はもう1つ条件を挙げていた。それは、多くの人が利用しているサービスだということ。So氏のこの発言、じつはジョークだったのだが。ここ最近、ライバル企業が台頭してきてはいるが、それらの企業からユーザー数などがかなりいい加減に発表されていることを皮肉った発言だったのだ。とにもかくにも、みんなが使って認められて、はじめてSaaSと呼べるものなのだよということ。
たしかに、カスタマイズ性はないけれど、Gmailは世界中で多くの人に使われている立派なサービス。これはSaaSと呼んでもいいけど、ほんの少数しか使われていないサービスであれば、形式はマルチテナンシーであっても、その有効性を発揮できている訳ではない。ユーザー数が伸びなければ、ある日突然サービスが停止になるかも。多くの人が使っていて継続性が見込めるというのは、SaaSの条件に入れてもいいのかもしれない。
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