オルタナティブ・ブログ > むささびの視線 >

鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

オンデマンドプラットホームに乗ってみるか

»

 オンデマンドの開発言語かつプラットホームとなるApexの発表で、本格的なオンデマンドプラットホーム提供ビジネスを開始するSalesforce.comだが、今後の鍵は、開発会社であるとか技術者であるとかが、いかにこの環境を認め、これをプラットホームにアプリケーション開発をおこなってくれるかだと思われる。

 オンデマンドプラットホームは、現状世界に唯一の存在でありこの環境のためにアプリケーションを一度構築すれば、世界中でそれが利用される可能性がある。他のOSにポーティングするとかは、考える必要がないのだ。

 もちろん、これが逆に大きく普及すれば、いいことばかりではなくさまざまな問題が出てくるはずだ。パフォーマンスの問題が起こるであろうことは、容易に想像できる。その際に、開発者側で工夫してチューニングすることができないのは、技術者にとってはもどかしいことになるかもしれない。

 さらに同様なオンデマンドプラットホームのサービスをおこなうベンダーも、今後は続々と出てくるかもしれない。そうなると、こっちのオンデマンドプラットホームから、あっちのプラットホームに移植するなんていう仕事も生まれることだろう。今回のApexが標準化されてくればそんな心配も必要ないかもしれないが、この部分が各社のサービスの優位性ポイントとなると、開発言語はそれぞれ独自の仕様となるに違いない。そうなると、物理的なサーバー環境からオンデマンドに移っただけで、苦労は変わらないことになるのだろうか。そうだとしても、インフラ環境のバラエティはかなり少なそうではあるが。

 現状ではまだ確定はしていないようだが、Salesforce.comとしてはApexの開発者への提供に関しては無償とするようだ(ランタイムについては一部課金の可能性がある)。ライバルのいない今のうちに、Apexがいかに開発者に気に入ってもらえるかで、今後のSalesforce.comのビジネスが楽な道のりになるかどうかが決まりそうだ。

 さて、開発者側としては、どのタイミングでこのオンデマンドプラットホームに乗るか悩むことになるわけだ。個人的には、早めに着手しておいて損はない選択ではと思っている。

Comment(0)