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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

BIは主役になれるのか

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 ソニーが「本気でIT投資に取り組む」そうだ。従来、SCMなどのシステムに投資していたが、今後はより戦略的にな分野で活用できるITを目指すとのこと。これは、現状ではあるプロジェクトのために社内の技術者を集めるのに1ヶ月も2ヶ月もかかっているとか、それを解決するようなITシステムに本気で取り組むという話だ。

 SCMなどのシステムで、ビジネスプロセスのなかの無駄を省きコストを削減したり効率化したりというのは、これまでのIT投資のもっとも重要な目的の1つだった。大手企業などは、このあたりの投資が一巡してそれなりのコスト削減は実施できている。とはいえ、そのことが経営面で評価されるのは効果が出たときの1度きりだ。

 企業には、継続的な成長が期待されている。昨日のオラクルのCRM戦略の発表会で、執行役員の藤本氏がオラクルのITシステム、サービスを提供していく基本的な方針として「顧客自身の成長を継続的に支援していくこと」と述べていた。ソニーの本気のシステム投資も、この企業の継続的な成長のための投資ということになるのだろう。

 具体的には、それはどんなシステムなのか。1つの候補としては、BIがあると考えられる。これは、従来の帳票やレポーティング、特定の専門家が利用する分析画面といったポイントソリューション的なものではなく、社内のビジネスプロセスのあらゆるタイミングでリアルタイムに必要な情報を簡単に得られるような、そんなBIシステムだ。

 オラクルではもちろん、このような「新しいBI」を目指したソリューションを展開する。そのために、買収したシーベルの分析環境を融合した新たなBI製品を中核に、既存のBIベンダー市場をまずは狙うとのこと。データベースとミドルウェアを握るオラクルにとっては、全体最適化されたBIシステムを構築するのは技術的に難しくはないであろう。

 BIで先行していた専業ベンダーは、うかうかしていられない。とはいえ、もともとBIツール専業というだけでは、今後大きな成長を見込めなかったであろうことも事実。BI専業ベンダーはなんらかの新しいサービスや製品で、企業の継続的な成長に寄与するビジネスに脱皮しなければならない時期にあるのだ。オラクルの追い上げをBI市場が活性化するチャンスと捉えられれば、BI専業ベンダーもこの市場での競争に参加し続けることができるだろう。

 BIはここ数年たびたびITのキーワードとして浮上するが、今ひとつ上昇の波に乗り切れていなかった分野ともいえる。さて、今度こそ2、3年のうちにBIがシステムの主役の座を射止めることになるのだろうか。

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