企業内失業者607万人のインパクト
社員の雇用という面で考えると、
この不況で非正規社員(契約社員、派遣社員、パートなど)と正規社員との
待遇の違いなどがマスコミで盛んに報道されてきましたが、
今回の不況においては、正規社員を守るという判断が各企業に働いた、ということは
間違いないようです。
正規社員を守るためのリスクヘッジが、
非正規社員の雇用制度の利用ということで事前に準備されていた、
という表現が正しいかもしれません。
http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200907010080a.nwc
実際に賃金や所得格差は広がっています。
http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je09/pdf/09p03021.pdf
ただ正規社員を守り、非正規社員で雇用調整を行う、
ということを企業が選択する意味は、当然、景気の変動を見越しての施策ということに
なりますが、正規社員を守るという施策の中で、
正規社員は企業が求めている仕事を行っているのでしょうか?
「企業内失業」607万人(経済財政白書)
http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je09/09p00000.html
余剰人員となっている企業内失業者は、
今年1~3月期で最大607万人に上る、と経済財政白書で公表されています。
この607万人が解雇されれ、ば日本の失業率は14%になるということです。
不況によって仕事が無くなった人の数というのが607万人ということなのですが、
不況が変革点となり、ビジネスモデルが大きく変わり、
ビジネスプロセスを再構築することで対応できなくなった正規雇用社員が
どれくらいいるのか、ということが気になります。
生き残るためには市場の変化に柔軟に対応することが企業には求められていますし、
正規雇用社員はその企業の変化に迅速に対応できるという前提があるように感じます。
「雇用は継続される」
という権利を主張して
「企業の変化に柔軟に対応する」
という義務には従わない正規雇用社員が組織を蝕んでいきます。
非正規雇用社員と正規雇用社員との雇用条件面での差ばかりが
クローズアップされていますが、
実際に求められる職責の部分でビジネスプロセスの変化に柔軟に対応することと
自ら仕事の領域を広げる、市場に提供する価値を最大化するという
正規雇用社員に求められる仕事への取り組み姿勢を問われているようにも感じます。