自分の仕事に自信と誇りをもつ
営業組織構築の支援を行っている際に、
営業担当者とお客さまの関係性について話をすることがあります。
今までの営業は、
お客さまとの信頼関係を構築する理由を
「月末や年度末などの最後の最後で頼み込んで数字を積み上げるため」
という場合があります。
モノウリ的な視点では正しいのですが、やはり、信頼関係を構築する理由は
「お客さまが本当に困ったときに本気で相談してもらうため」
でないと、なんかさみしいですね。
営業担当者に
「お客さまとの信頼関係を築け!」
と言っても、このようにとらえ方が違うのですから、
仕事の背景についても、上司はきちんと説明をして、
部下はそれを主体的にきちんと考える、
という習慣をつけないといけないと思います。
人間はもともと怠け者で意志なども弱いものだ
というのは、以前の投稿でも書きましたが、
その人間の中にも「怠けずに初心を貫徹する」という人間がいるというのは、
その気持ちの中に
「自分で決めたことだから、自分で考えたことだから」
と、自分が主体的に決めたという強い気持ちがあるのではないかと思います。
営業には目標数字があるケースがほとんです。
これを、本質的な目標ではなく、
考えるための手段にしている営業担当者は成長しています。
つまり、目標として設定された数字に対し、
「どのようにすればその数字をつくることができるのか?」
ということを主体的に考え、
結果、数字が達成できれば、
自分の考え方が正しかったという成功体験を得、
達成できなければ、何がたりなかったのかを再考し、次への施策とする、
という思考です。
営業という仕事は非常にクリエイティブな仕事で、
相手は何のために自分に会っているのか、
相手は何に拘っているのか、相手は何に困っているのか、
などを、相手の言葉だけでなく、
声のトーン、面会アポイントの変更依頼、取り消し、上司を同席させる、値引き交渉
などの信号をきちんとつかんで予測する、という能力も求められます。
営業という仕事を前向きにとらえて、
お客さまの欲しい情報というものにアンテナをはり、
そしてその情報から自分と同僚で必死に仮説をつくってみて、
そして検証してみることで、
組織としての仮説のつくりかたを学んでいきます。
組織学習になります。
お客さまの要望という答えは、誰かが決めるのもではなく、
組織で決めるのが組織が成長するためのポイントになります。
最初から誰でもできるわけではないので、
これを繰り返して、組織全体で喜びを共有するということが一番です。
大きな会社などは、
全体的な取り組みとすることは難しいので、
部分的に、部署のグループぐらいの単位で必死に成功事例をつくる、
ということが一番と思います。
その身近な成功事例を全社で共有します。
コンサルタントのような私が行ったのではなく、
自分たちの力でやり遂げたという達成感が周囲に共感をうんでいきます。
自分はどのような仕事をやりたいのか?
自分はどのような喜びを仕事で得たいのか?
これらのことを個々の社員が持っているのが前提ですが、
会社という場を活性化して自分が楽しいと感じるような場としていくのは
会社の責務ではなく社員の責務ではないかと思います。
誰かに何かをしてもらうことが当たり前
になっているのは、学生だけでなく社会全体の意識かもしれません。
今回の不況で、
会社も社会も期待できないので、
周囲の人間と協力して自分たちの場を自分たちで創る
ということをやっている人たちが
次世代の中心になるのではないかと思います。
自分の力だけで、という独りよがりは、
結局は誰からも(お客さんからも)賛同を得れないで去っていく
という構図のようです。