業務スキル+社会人基礎力
今日も東京で新入社員研修を行ってきました。
人材育成のコンサルティングなどを行っていると、社員が習得しないといけないスキルには、コンセプチュアルスキル、ヒューマンリソーススキル、テクニカルスキルなどがあるという話をしますが、新入社員や入社から5年目くらいまでの若手社員には社会人基礎力を意識した形でカリキュラムを考える必要があります。
社会人基礎力を構成する主な能力については、「経済産業省の社会人基礎力に関する研究会」では以下の3つをあげています。
1.前に踏み出す力(アクション)
~一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力~
⇒実社会の仕事において、答えは一つに決まっておらず、試行錯誤しながら、失敗を恐れず、自ら、一歩前に踏み出す行動が求められる。失敗しても、他者と協力しながら、粘り強く取り組むことが求められる。
2.考え抜く力(シンキング)
~疑問を持ち、考え抜く力~
⇒物事を改善していくためには、常に問題意識を持ち課題を発見することが求められる。その上で、その課題を解決するための方法やプロセスについて十分に納得いくまで考え抜くことが必要である。
3.チームで働く力(チームワーク)
~多様な人とともに、目標に向けて協力する力~
⇒職場や地域社会等では、仕事の専門化や細分化が進展しており、個人として、また組織としての付加価値を創り出すためには、多様な人との協働が求められる。自分の意見を的確に伝え、意見や立場の異なるメンバーも尊重した上で、目標に向けともに協力することが必要である。
新人研修などでも、自発的に行動させる、個人で徹底的に考えさせる、グループワークなどで他人の意見も聞くなどの工夫をしています。
実際に、学生NPO法人の九州学生ネットワークWANでも「社会人基礎力」を意識したスクール(CANPASS)を就職前の大学生向けに行っています。その中でも最近の若年層は社会人基礎力の部分が弱いということに気付きます。
今も昔も、一部の学生は潜在的に社会人基礎力は持っています。就職せずに起業して成功する起業家も潜在的に社会人基礎力を身につけていたということが言えると思います。彼らは企業に就職しても大きな成果を出すことができると感じます。
しかし、昔に比べて増えたのは社会人基礎力が欠如している若年層の割合です。
超売り手市場と言われる大量採用時代には、それを補完する仕組み作りを考えることが急務になっているような気がします。