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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

他人を巻き込む必要のある新しい施策、試みでちょっとハマってないか?と思ったときに役立ちそうな書籍

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チェンジマネジメント 3.0 - How to Change the World(Jurgen Appelo(著)、前川哲次、川口恭伸、吉羽龍太郎(訳))は、60ページほどの書籍です。1ヶ月ほど前に献本いただき、やっと読みました。

訳者も著者もアジャイル開発で有名な方々なので、アジャイル開発を浸透させるための方法なのかなと思っていたのですが、新しいアイディアを育てたい多くの人に示唆がある内容だと感じました。アジャイルに限らず、新しい技術、技法、プラクティス、プロセスを取り入れたいと思ったときに、その技術、技法、プラクティス、プロセス自体と同じくらい知っておかなければならない情報といえそうです。ソフトウェア工学分野の産学連携の共同研究にも役立つと思います。エンジニアリングに限定されず、新しい施策や取組みでも活用できるレベルの抽象度で書かれています。

私にとって印象深かったのは以下の部分です。

  • モヒートメソッド
  • (私の国では)すべてのタバコのパッケージには、「喫煙は死にいたる」と書かれているが、ほとんどの人々にそれは効果がない
  • 人々はあなたのアイデアの重要性を認識するかもしれないが、彼らはそれに対して緊急性を感じることはない
  • ソフトウェア開発者は、ミュージシャンやスポーツ選手と同様、十分な練習があって初めてよい結果を出せるのだ。
  • 人が変わる時には、自分自身がよい仕事をしているのだということを見たり感じたりすることが必要だ
  • 変化を起こす活動のごく初期段階においては、批評家や懐疑論者と戦うことに必要以上の時間をかけてはならない。
  • どんな変化にも、決まって懐疑的な人がでてくる。これは必ずしも悪いことではない。懐疑的な人は、あなたとあなたの活動をよりシャープなものに変えてくれる。批判に耳を傾けることで、改善方法を発見できることがある。改善することで、より多くの人々を説得できるようになるかもしれないし、批判をかわすことにつながるかもしれない。

新しい技術、技法、プロセス、プラクティスの導入をたくさん見てきたのと、共同研究の活動の中で新技法の導入の支援をすることもあり、上のいずれにも心当たりや気づきがありました。書籍の中で私があまり考えたことがなかったことが望まれないイノベータの存在です。「規模に関わらず、過半数の人々を巻き込むためには、望まれないイノベーターを見つけ、伝染病を避けるかのごとく彼らを避けることが重要です。彼らがあなたの新しいアイデアを受け入れてしまうと、まず確実にダメになります。」という部分は意外でした。

本書は、継続的改善をはじめとして改善活動や新試行等を実施している最中に読み直して自身の活動を見直すのに役立つように思いました。普通に読むと原理・原則が書いてあるのですが、悩んでいるときに読むとより多くの気づきを提供してくれるように思いました。

PDFの電子書籍として500円で買えます(こちらから)。

Comment(2)

コメント

ピータン

森崎先生、こんにちは。
面白そうな本の紹介ありがとうございます。
今月末に、仕組みの大幅改訂についてチームリーダー以上を集めて説明会というのを予定しているので、ヒントになるかもしれず、早速購入して読んでみたいと思います。

ご無沙汰しております。コメントありがとうございます。

伝える計画や戦略のお供になると思います。うまくいくことをお祈りしています!

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