事実と事実認識の間で
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少し前の話になるが、JASPIC夏のプロセス改善セミナー大阪で、「フィールドワークを応用したプロセス改善の継続方法」(平田 貞代氏 富士通)という講演を拝聴した。資料はここ(SPI Japan)にある。SPI Japan2008で受賞された発表だそうだ。
講演のテーマはソフトウェア開発のプロセス改善を促すことを目的としており、プロセス改善による気づきを現場により理解してもらう。プロセス改善の結果のよい部分に気づいてもらうことにより、次のプロセス改善にも取り組んでもらい、プロセス改善を促進しようとすることを目指す。
前置きが長くなったが、表題はその講演の中で出てきた話。事実認識を現場のメンバと共有するのでなく、事実を共有すること。なかなか難しい。事実と事実認識の違いは「本当にそこにある事実」と「ある観察者が事実だと思ったこと」にある。
事実と事実認識は一致している場合もあれば、そうでない場合もあるだろう。これをつきつめるとかなり哲学的な話になりそうなので、ここで追求することは避けたいが、こういう問いを自身にすることは大切だと思う。
「自分が事実だと思ったことはバイアスのかかった事実認識に過ぎないのではないか?」と問い直す。答えが出ない可能性もあるが、セルフチェックとしては十分だと思う。
ご自身が新しい技術や技法を評価する際に正しい事実認識をしているといえるだろうか?一度だけうまくいっただけで、過度に適用範囲や次の成功を期待したり、まだ使っていない時点から、うまくいかない理由を考えてみたり保守的な判断をしていないだろうか?
私も常に考えていきたいと思う。
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