記事『合意形成と意思決定に活用する「計測」の現在』で講演内容を紹介いただいた
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ここでは、聴講された方からいただいたフィードバックのうち、プロジェクトへの効果に関するものを紹介し、実際にソフトウェア開発プロジェクトで困っている方々がどう捉えたかを紹介したい。
ソフトウェアを様々な観点で計測し、開発メンバ内や顧客との合意形成や意思決定に使えないか、というのは私の主要な研究テーマの1つだ。今年7, 8月にそれを紹介する機会をいただき、それらの内容を記事にしていただいた。「合意形成と意思決定に活用する「計測」の現在(enteprisezine.jp)」と「工事進行基準時代のソフトウェア計測(atmarkit.co.jp)」だ。
ここではこれらの講演の後に、いただいたフィードバックのうち複数の方からいただいたものを書くことにした。上述の元記事(特にコンセプトのページ、事例のページ)とフィードバックを合わせることにより、このエントリを読まれている方のご参考となればと思う。
- 品質、納期、コストに対する要求が厳しい中では、特に優秀なエンジニアやPMに負荷が集中し、モチベーションが下がりがち。その原因の1つである不合理な意思決定や1人への作業集中をモニタする仕組みになり得る。また、開発メンバの間だけではなく、顧客と開発プロジェクトにも同様の期待ができるのではないか。
- 開発プロジェクトの途中で、比較的低コストで計測データをもとに共通認識を作ることができそうだ。プロジェクトの中間成果物から計測できるデータを使った共通認識には説得力があると考える。
実際のプロジェクトで利用するには、まだまだ解決すべき項目がたくさんある等の否定的な意見もあったが、定量化が難しいソフトウェア開発において、何か少しでも定量化し、それをもとに共通認識、合意形成できるものはないかという意識が生まれればと思う。
ここ(enterprisezine)にも記述されているが、過信は禁物だが低コストで計測できるものはあるはずだ。計測結果から共通認識、合意形成、意思決定につなげることはできるだろう。皆様の身の回りでは何が計測できるだろうか。あるいは既に計測されているものから何が言えるだろうか。
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