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日本人なら意外にやっている? perspective based reading

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レビュー/インスペクションの技法の1つに、perspective based readingというのがある。観点別レビューもしくは役割分担レビューといったところだろうか。レビューに参加するメンバに事前に観点を割り振って、その観点での欠陥を指摘する。観点には、ユーザ(顧客)、テスタなどがある。

perspective based readingをはじめて聞いたとき、はじめてPMBOKを知ったときと同じような気がした。たしかに、これだけ入れ物をきちんと作っておくと便利だよねぇという感じ。perspective based readingはもともと欧米で提案されたものだ。国内の方であればいつものレビューをイメージしていただくと、すでにやっているという方が多いのではないかと思う。

勝手なイメージだが事前に役割分担を明示するまでもなく、ベテランは顧客に受け入れられるかどうかという観点(仕様、法規、契約との整合性)でみたり、例外を中心に、中堅は細かい部分で未定義になっている箇所やテスト容易性を、若手は正常系を中心にみているということは結構あるのではないだろうか。日本人ならば普通にやっていることではないかと思う(日本人に限らないのかもしれないが)。

じゃぁわざわざ手順化したり文書化するなんてムダだよねという話になりがちだが、うまく明文化して横展開できるようにしてはどうかと思う。すべての手順を守れというような文書としてしまうと形骸化する可能性が高いように思うが、それなりにカスタマイズできる余裕を作っておき、守るべきことの優先順位を示しておけば参照の頻度が高い有益な文書となるだろう。最近は、そういう文書格納のための社内インフラが整っているところが多いのではないかと思う。あとはそこに文書(メモでいいのだが)を置くだけだ。

ここを読まれている方のプロジェクトや組織ではどのような役割分担をされているだろうか、また、参照の頻度はそれほど高くなくても小技扱い程度の文書になっているだろうか。

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