オルタナティブ・ブログ > 森崎修司の「どうやってはかるの?」 >

計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

影響力のあるアルゴリズム

»

5/20のgoogle blogの最後あたりにGoogleの検索アルゴリズムがここ数ヶ月で変更されることを示唆するような記述がある。もしそうだとすると、ものの売れ行きや知名度などに影響が出るものもあるかもしれない。

アルゴリズムといえばリストをアルファベット順や数値順に効率的に並び替えるものだったり、大規模な科学技術計算をするためだったり、将棋やチェスといったゲームのためのものであったりした。不可能を可能にしたものも多く、その影響力は非常に大きいといえるだろう。

しかしながら、別の種類の影響力をもつ(ビジネスを動かすような)アルゴリズムというのができつつあると言えるように思う。冒頭のGoogleや証券におけるアルゴリズム取引(事前に条件を設定しておき、条件に応じて株式を売買する)もこれと同じカテゴリに入るのではないだろうか。Amazonの推薦アルゴリズムもそのようなものの1つといえるのかもしれない。

ひょっとすると今後のアルゴリズム設計には計算機資源以外への影響も考慮しておくことが求められるのかもしれない。新規に作成してすぐに大きな影響力を与えることはほとんどないだろうが、一部のアルゴリズムについてはスケールアップを考えて影響力を持つ事柄を整理しておくのが当たり前になっていくかもしれない。このあたりは米国が得意な分野のように感じるが、国内では難しいというものでもないように思う。

これまでビジネスの観点という意味では業務の効率化やどの部分をシステム化するかという点へのフォーカスが多かったが、自社でスペックを作り上げていくタイプのサービスやパッケージ型の開発ではアルゴリズムを設計する際にビジネスの観点から考えるアーキテクトが登場してもよいように思った。

Comment(0)