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Yahoo!がOpenIDを採用 - SaaS普及を加速するのでは? -

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先週のITmediaニュース(ここ)でも紹介されているとおり、Yahoo!がOpenIDを採用するそうだ。OpenIDはオープンソースベースの認証用フレームワークで、あるサイトで発行したIDを使って別のサイトで認証(ログイン等)ができるというもの(両サイトともにOpenIDを利用している必要がある)。グローバルなシングルサインオンといえるのではないだろうか。OpenIDの説明はここが参考になるだろう。

ソフトウェア的側面から考えるとWebサービス、Webアプリケーション等のサービス型のソフトウェア(SaaS: Software as a Service)は手元のPC(クライアント)にプログラムをインストールする手間をかなり小さくしてくれた。OpenIDはこれをさらに推し進め、サービスの初回利用の障壁をさらに下げてくれると期待される。SaaSとOpenIDには直接的な関係はないがOpenIDの普及によりサービスがより身近になると考える。多くのユーザをがいるYahoo!がOpenIDを採用することによりOpenIDが普及すると考えるからだ。

SaaSは手元のクライアントにプログラムをインストールする必要をなくすことができ、以下の全部またはいくつかの手間が省ける。

  • アプリケーションの設定や後からでは変更しづらい設定を最初にコミットさせる。
  • シリアル番号を入力させる。
  • 他のミドルウェアやアプリケーションのインストールを必要とする場合がある。
  • 再起動させたり、関係のないアプリケーションも終了させられる。
  • しばらく使っていると自動アップデート版をインストールしろといわれる。

しかしSaaSはサーバ側で必要なものを準備するため、アプリケーションを使って作成した成果物やプライバシ情報もサーバ側に置いておく必要がある。見られたくないものを使うにはユーザ認証を使う必要があり、認証情報はサービス毎に登録する必要があった。たとえば、ちょっと使ってみたいサービス(たとえばソーシャルブックマークの登録)のために以下の手間が必要になった。

  • そのサービス用にアカウント名を決め、SPAMが来てもよいようなメールアドレスを入力し、そのサービス用にパスワードを設定する。
  • 「そのアカウント名は既に使われています」と断られ、morisaki2008というようなすぐに忘れてしまうようなアカウントの選択をしてしまう。
  • たまにしか使わないサービスだとパスワードを忘れてしまい「パスワードを忘れた方」というちょっと悲しいリンクをたどって「ペットの名前は?」というような本人確認用の質問に答えさせられる。

OpenIDは他で作ったIDを認証用に使えるので、これらの手間を省いてくれる。ユーザ名、パスワードから完全に解放されるわけではないが、サービスがOpenIDに対応していればサービス毎にアカウント名、パスワードを作成したり忘れたりする心配が減る。

「おもしろそうなサービスだからちょっと使ってみたいんだけどアカウント登録がめんどうだなぁ」というような小さめのサービスを利用するための障壁をOpenIDがかなり小さくしてくれると期待している。利用サービスの履歴等プライバシの問題があるが、OpenIDのようなフレームワークのおかげでサービスの利用層やサービスを提供層が厚くなり、おもしろいサービスが多く現れてほしいと思う。

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