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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

アジャイルコントラクト

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ICSEのセッションの1つで、agile contractsの例としてトヨタとサプライヤの良好な関係について語られていた。トヨタがbest contractorとして挙げられ、サプライヤとのwin-winの関係を築いていること、信頼を基本とした共通のゴールをサプライヤと作れているところ、契約を必要以上に細かく作りこんだり、責任を必要以上に細かく分類していくことは所詮ゲームに過ぎないということを認識しているところ、において優れていると述べられていた。スピーカはMary Poppendieck氏。

セッションの内容は、国際会議にしてはちょっとローカル(米国)色が濃い感じが否めなかったが、母国のもの(トヨタ)が褒められるのは気持ちがよいように思う。

業界の方の講演を聞き比べるとわかるが、トヨタに限らず自動車関連の組込みソフトウェアの開発は、製造業の組込みソフトウェア開発やエンタープライズ系ソフトウェア開発とは大きく異なる。たとえば、ソースコードの著作権の扱いやサプライヤがグローバルな市場に向いている点にも現れており、win-winの関係はここでもうまく醸成されているように思う。

ここでは、ICSEでの話をかなりゆっくりしたペースで報告しているが、今後も思い出したものを記述していこうと思う。会議期間中に、EASEプロジェクトのAdvisory meetingが開催された。COCOMOで有名なBarry Boehm先生をはじめ、Victor Basili先生(米)、Ross Jeffery先生(豪)、Dieter Rombach先生(独)を含むメンバで、現状報告、国際連携、今後の方向性についてミーティングした。

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