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わずか2年前発売の本が、絶版になり、プレミアム本に。そこで考えた、商業出版と個人出版の可能性と限界

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先週の朝カフェ次世代研究会で講演いただいた高木芳紀さんが、「わたくしの正体。」というエントリーを書かれています。

「ニッチトップ」という言葉がありますが、誰でも使う名刺の世界で、高木さんはまさにニッチトップな方なんですね。

 

そんな高木さん、「1秒で10倍稼ぐありえない名刺の作り方」という本を書かれています。

2008年7月発売ですので、2年前に出版された本です。

しかし、現在、絶版されています。

「初版が完全に売り切れで在庫なし、増刷の予定もない」そうです。

この本、Amazonの書評では大絶賛です。

Amazonで中古の本も19冊出ていますが、一番安くて1933円から。一番高いのはなんと8850円。プレミアム本です。

高木さんはブログで、

どなたか出版関係の方、改訂版で再発売、もしくは電子書籍での再デビューという可能性はありませんでしょうか?

と書いておられます。

 

本の著作権は著者にありますが、版権は出版社が持っています。

増刷するかどうかは版権を持っている出版社側のビジネス上の判断ですし、他にも出版社内の様々な事情があると思います。

必ずしも、著者や読者の希望を100%満足できる、ということはないと思います。

一方で、著者としては、「自分の本を読みたい」と希望されている読者の方々に、増刷できないと本を提供できないというジレンマもあります。

著者の立場では、著作権は持っていても、版権を持っていないので、電子書籍版を出したくても自分だけの判断では出せないのですよね。(これは個々の出版時の契約内容によりますが)

 

個人出版の場合、自分で全てのリスクを被ることになりますが、版権も自分で持つので、このような問題は生じません。

例えば、私は今年3月に、2年前に出版した「戦略プロフェッショナルの心得」PDF版を無償ダウンロードできるようにしました。

この本は個人出版で、私が発行者になっています。ISBNコードも私が自分で取りました。(簡単です)

自分で版権を持っているので、電子書籍版を出すのも、無料で配るのも、自分の思い通りです。

一方で、流通チャネルが極めて限定されるので(例えば、私の場合はAmazonのe託販売だけ)、世の中で人々の目に触れる機会が限定されてしまい、数が出ないという問題もあります。

「戦略プロフェッショナルの心得」も、印刷費を回収できておらず、赤字です。

2冊目の「朝のカフェで鍛える 実戦的マーケティング力」は、秀和システム様から出版いただきました。やはり商業出版の場合、全国の書店に並びますし、世の中の評価も個人出版の場合とは全く違うことを実感しました。

 

高木さんのエントリーを拝見して、改めて色々と考えさせられました。

いずれにしても、高木さんの「1秒で10倍稼ぐありえない名刺の作り方」、是非改訂版か、電子書籍版でふたたび多くの方々が読めるようになるといいなぁ、と思います。(実は私も読みたいと思っている1人です)

書評では大絶賛だし、プレミアムもついている。

著者も改訂版や電子書籍化を望んでおられる。

私が出版関係者だったら、これは宝の山だと思うのですが。

 

 

Comment(3)

コメント

ご存知かもしれませんが fukkan.com というサイトがあり、復刊依頼を投票形式で募っています。その本は、まだ候補として挙がっていないようですので、登録した上で復刊を呼び掛けてみるという手はあると思います。少なくとも印刷物としては、ある程度まとまった部数がないと出版社も印刷しにくいと思います。

また、電子書籍については、出版契約に電子化の契約がないなら、自分で発行する制約はありません(出版社に断っておく方がよいでしょうが)。また、出版契約に電子化が含まれていても、出版社に電子出版する意思がないのなら、やはり確認を取って自分で発行することはできるでしょう。まともな出版社なら、在庫がなくなり、自分で出す気もないのに、出版権も電子化権も抑えておくという、著者に逃げられるような対応はしない気がします。

取り上げていただき光栄です!

増刷計画がないというのは、印刷・流通コストのリスクに、「売れるであろう冊数」が負けているのですから、やはりそこは無茶は言えません。電子出版についても、注目していない出版社さんはないでしょうから、何か検討はされているとは思います。でも今のところ電子化のオファーはありません。

ということで、もしどこか他の出版社さん、電子出版のプラットフォームからオファーがあれば、元の出版社さんに相談すればいいやと思い、最近あのような呼びかけをし始めています。

実は名刺作成ソフトのCDが付録になっており、そのまま電子化というわけにもいかない面もあるのですが、それは改訂版ということで、内容を電子版用に書き直すこととか、めっちゃヤル気です。(笑)

どなたかご興味があれば、ご一報いただけますと幸いです。

※mohnoさんの教えてくださった、fukkan.com ちょっと覗いてみます!m(_ _)m

mohnoさん、
fukkan.comのご紹介ありがとうございました。
最近の出版契約には、電子化の条項って、結構入っているようですね。
 
高木さん、
米国のように、個人で電子出版とか、できるようなインフラができるといいですね。

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