バンコクでのとある一日 その4 日本人の先達たちを思った日
皆様、そろそろゴールデンウィークですね。
タイ旅行計画されている方もいらっしゃると思います。
またはすでにタイ入りしている人もいるかもしれませんね。
そこで、ちょっとした耳の痛い話をします。
我々はタイ国では外国人です。タイの人達が長年作ってきた文化に触れさせてもらったり、その恩恵を受けるという立場です。
当たり前ですが日本人はタイ人ではありません。
今、タイ国にはいろいろな外国人が来ています。
その中には、あまり見ていてよろしくない人達もいます。
タイ人の方達からみて、どうでしょうか。
裸に近い、薄手のTシャツにサンダルを履いて、レストランに入っていく人々。
周りの迷惑を考えないで大声で母国語で怒鳴り散らす人々。
日本人であれば、やんわり声を掛けて、「いっぱい奢るから、別の店に行きましょう。」ぐらいは出来るのですが、それも限界がありますね。
でも、日本人はまあ、それほど行き過ぎたことはしないと思っています。
知人でないタイ人(お店の人やたまたま知り合った人など、ほとんど他人)に聞いても、日本人は大歓迎とか日本人はマナーが良いとか良いことを言ってくれます。そんな時、私はタイ語で話し、私は自分を日本人だとは言いません。しかし、日本人だと思って、遠慮しているのかも知れませんが、概ね、日本人は、タイ国で歓迎されていると思っています。
でもそれは、今までの日本人の先達たちが築いてきたもので、我々の評価ではないことに注意が必要です。
以前私が書いた内容に、タクシーでは、少しだけ大目にチップを渡してください、ホテルのポーターには20Bほど払ってください、ベッドメークの人用に50B置いておいてください、など書きましたが、タイ人がみんなしているって事ではないんです。
あくまでも我々外国人としての税金みたいなものなのです。
この頃、**人入店お断り、**人は予約不可など明言はしていませんが、実際はやんわり断られる特定の外国人がいることを知っていますか?
お客なんだからとかサービス業なのにとかは通用しません。店にとって不利益な人を断る権利がタイ国にはあるのです。
タクシーでも同様で、乗車拒否は、実質あたりまえなのです。
「日本人はチップをくれるから大事に扱って運ぼう」(ポーター)
「日本人はチップをくれるから、しっかり清掃しよう」(客室係)
「日本人はちゃんとチップをくれるから乗車拒否はしないでおこう」(タクシー運転手)
などなどの恩恵を実はわれわれは受けているのです。
それは日本人の先達たちが築いてきた日本人の信用です。
信用は一朝一夕にできるものではありません。長年の努力が信用につながるのです。
確かにチップを渡さなくてもそのときは問題ないでしょう。
無理なごり押しをするのもそのときに限れば問題ないかもしれません。
でもそれらの行為は、日本人の信用を裏切ることになり、「日本人お断り」につながらないとも限らないのです。
私は変な言い方ですが、チップというのは大変わかりやすい、業務の評価制度であり、それ以上に信用を簡単に勝ち取る方法だと思っています。
だから我々はタイ人以上にいろいろな点に注意を払う必要があるのです。チップはその一例です。
私は、小さな会社に居る身なので、信用というのがどれほど大きなものか知っています。長年の実績がないと信用は生まれませんから実績の少ない小さな会社では、信用してもらうのが最も大切な営業行為になります。そしてがんばって積み重ねた実績も一度のミスで消し飛んでしまうのが信用というものです。
我々は幸運にも日本人というブランドの信用を持って、タイ国に来ることができるのです。
これを次世代まで保たせることが我々の使命だと思ってもらいたいです。
是非とも皆さん、よろしくお願いいたします。
今日はここまで、またいつかお会いしましょう!