民主主義の基本は?
先週末は、ドタバタで掲載が遅れたが、簡単に以下記す。
イギリスでのテロとか、北朝鮮の発射実験とこれに対する米国の空母の派遣など、益々力の紛争解決への依存の様相が深まっている。もちろんテロ行為は断じて許されるものではないが、イスラム圏の一部のこのような行動が、単に教義への過度な傾倒だけから生まれているのか、今一度冷静に考えてみる必要はないか?
中近東の国境線の設定や、資源の独占など、ある意味でキリスト教的な発想に基づいて、その論理だけを優先させ、また白人至上主義の経済的利益優先の論理に基づいて、現在に至っていることは否定できないし、これに対する反発がその深淵にあるとすれば、怨嗟の連鎖をさらに増幅させる武力衝突が本当に適切なのか?
我が国の政治も、益々米国傾倒を進め、武器輸出など武力紛争を助長するに加担し、更には国家至上主義のもとに憲法の精神に違背する共謀罪を、我が国が国際社会において最も優先すべきである国連の示唆にも従わず成立させようとしている。
一方で、何が事実か闇の中ではあるが、首相の個人的主張に合うことだけが、優先的に政策に反映され、或いは捜査権にまで影響を及ぼすとすれば、これは由々しき事態である。加えて、これを糾弾するべき、民主主義にとって主権者に情報を伝える重要な役割を果たすべきマスコミが、これまた恫喝と誘導によって委縮しているとすれば、我が国に民主主義は存在しない、と言わざるを得ない。
そして、その民主主義は、我が国のものとは異なるかもしれないが、まさに我が国が傾倒する米国、更にはその淵源である欧州において、長い市民と為政者の間の闘争の中から、市民が勝ち取ったものなのだ。これを自ら放棄する動きに、我々は加担するのか、今一度冷静に考えてみたい。