これからの世界の闇?
トランプ政権の保護主義的な動きが、G20の国際協調にも影を投げかけているようだ。彼が、失敗を続けながらも何とか生き延び、今やある意味での成功者でいられるのも、実は自由主義的な経済システムがベースにあったからだと思うのだが、どうもトランプ氏はそのようには理解していないようだ。
もちろん、第二次大戦後の45年間のように、欧米諸国が経済的にも、軍事的にも、お互いに協力し合うことも含めて、世界の中で圧倒的な力を持ち続けた時代とは、現代は異なる。だが、宗教・文化が異なることに加え、貧富の格差の広がりから極端な動きにつながる恐れが高まっている現代の国際社会において、自国の論理と考え方だけを振りかざし、孤立主義に走ることは、そもそも自国のリスクを高めていることにもなるのではないか?言葉を選ばずに言えば、頭の悪い総帥が、力ずくで様々な相手と戦っていく姿は、滅びの姿と重なり合う部分があるような気がしている。
豊洲問題は、石原氏の100条委員会での証言に関心が集まっている。だが、石原氏の責任などという前に、まず奇異に感じるのは、この手の報道が概ね都の役人への取材に基づいて行われていることだ。石原氏を責めたいマスコミとしては、小賢しくてすぐに責任転嫁をする都の役人は最適な取材相手だろうと思うが、それで事の真相は分かるのか?
偏った報道、という我が国の本質的な課題が垣間見えている気がしている。民主主義を支える国民の知る権利に関与するマスコミが、意図的な取材をするのだとすれば、我が国の民度の上昇は望めない。是非、本質を踏まえた報道、責任を問うよりも問題解決の糸口を探し当てるような報道の姿勢を確立してほしいものだ。