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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

生きるということ

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このところ海外が多く、なかなか落ち着いて日本の状況を考える時間もないが、昨日までロンドンに行っていて、ちょっと気づいた点を一言。

いつもロンドンで国際会議があると、ドックヤードの近くのEXCELなので、都心からも遠くて面倒な気がする。日本の首都圏も、ビッグサイトや幕張などで、やはりちょっと不便だが、何とかならないかと思ってしまう。

愚痴はさておいて、今回ふと思ったのは、朝のラッシュアワーの地下鉄の混み具合と、人々の動き。さすがにこの時間帯は地下鉄の駅はとても混んでいて、ロンドンっ子達が、すごい勢いで地下鉄に向かっていく

最近の東京は、もちろん地下鉄は相変わらず混んでいるが、どうも乗客はロンドンと比べるとゆったりしているというか、弛緩しているように感じる。もちろん電車であまり殺気立つ必要もないのだが、何だか日本人の真面目さが薄れているように感じるのは、私だけだろうか?

一方で、ロンドンの地下鉄は車両が小さいので、あまり乗れないのだが、無理に人を押して乗ることはなく、ある程度埋まると乗客は自ら乗車を止めて次の列車を待つ。日本では、とにかく無理やりにでもその車両に乗ろうとする。

何だが、日本は電車に乗るということだけに力が入っていて、他人に対する配慮が欠けているのではないか?以前から感じていたことだが、改めてそう思った。

名古屋の女子大生の事件などを含めて、どうも日本でもちょっと考えられないような話が多くなってきているが、この背景には、日本の社会全体の大きな問題が横たわっているのではないか、そしてそのような社会を作ってきたのは、若者たちではなく我々の親たちや我々などの戦後の世代ではないか、と感じている。

時々ビジネスの世界で仕事をともにした人々とも雑談をすることがあるが、昨今はわが国の経済に明るさが欠けていることも反映して、どうしてもどう稼ぐかというような話になりがちだ。

だが、生き馬の目を抜く欧米の世界でも、徐々に格差問題や精神的な豊かさへの思いからか、これまでの金融資本主義を始めとした社会システムへの見直しが始まっているのに比べて、わが国は相変わらず10年、20年遅れて突き進んでいるような気がしている。

今一度、仕事や家庭に真面目に取り組むとともに、一方で人を思いやるという、そもそもわが国に存在した美徳を思い起こし、決して裕福ではないが心が豊かな社会を作るように努力すべきではないか?

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