日経によるFT買収を見る
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英経済紙であるフィナンシャル・タイムズ(FT)を買収した日本経済新聞社は、世界でもちょっとした噂になっています。
そもそもFTの買収劇をめぐっては、直前まで独アクセル・シュプリンガーが最有力の買い手として見られていたからです。
日経がFTを買ったのは、当然老舗で名門企業というだけではなく、デジタル化の荒波を受けて軒並み苦戦している世界の活字メディアの中では、デジタル対応(電子化)に成功した企業であり、有料購読者の約70%が電子媒体の読者である、という点に魅力を感じたはずです。
ところが今回の買収金額は、8億4400万ポンド(約1600億円)と言われており、FTの年間利益の40倍にも達してしまいます。従って日経にとっては決して安い金額ではありません。
それでも世界進出、まずは手始めにアジアを攻める日経にとっては、どうしても欲しかったのが世界的なメディアであり、そういう点ではFTは恰好のターゲットであった訳です。
いずれにしても、FTを手にいれた日経からは今後目が話せなくなりそうです。デジタル対応でどのように収益を上げていくのか、今回が高い買い物と言わせないためにも恰好のお手本を獲得したのだから、今後は成果が求められてきます。
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