書評:秋の夜長に「今でしょ」林先生の日本文学講座
先日のブロガーオフ会で「林 修の『今読みたい』日本文学講座」をいただきましたので、簡単に書評を。
「今でしょ」でお馴染みの東進ハイスクール講師、林先生が好きな日本文学の名作~宮沢賢治や漱石、芥川、太宰など~の原文(一部または全部)を紹介し、著者ごとに林先生の解釈を加えていきます。
例えば、宮沢賢治の「注文の多い料理店」の本作の後に、この話の解釈について、近代化に対する反感が込められていると言われているが、私はこの一文からこう読んだ、という林先生なりの解釈が紹介されているといった感じです。
普段、小説を読む時には、途中で立ち止まって一文をじっくり読んだり、背後の意味を深く考えることはしませんよね。なので、解釈を読むと、純粋に、「へええ」と興味がそそられて、もう一度原文に戻って読んでみたくなります。さすが「名作」と言われる作品は奥ゆきが深いですね。
お勧めの読み方としては、まずは自分がすでに読んだことがあってストーリーを知っている話、または、自分が好きな作家の箇所から読み始めるのがいいと思います。やはり文学作品ですので、これまでほとんど文学を読んだことのない人には最初はちょっと取っつきにくいかもしれません。
また、これは、あくまでも文学の面白さを発見(または再発見)するための導入であり、全部の作品を真面目に読む必要はないと思います。好きなページからささっと読んで、あー、私はこの作家の感じ好きだなーと思ったら、あとは、その作家の本を別途買い求めて心ゆくまで読むのがいいと思います。
せっかくの秋の夜長ですから、読書感想文を書くつもりで、ゆっくりと文章を噛みしめながら読書をしてみてはいかがでしょうか。
私の場合は、昔たくさん読んだ太宰治の作品をまた読んでみたくなりました。今読むとまたきっと違った感じを受けるのだろうな。私はKindleの愛用者ですが、今はこういった文学作品が無料で読めるのも嬉しいですね。