休職長期化や休職の繰返しを人事としてどう対応するのか(1)
こんにちは。リヴァの伊藤です。
今年も残すところあと少しですね。
連日飲みが続き、肝臓が悲鳴をあげてそうな今日ころごろです。。
先日、中央大学大学院戦略経営研究科主催のセミナーで講演とパネリストとして参加してきました。その内容を今回はご紹介出来ればと思います。
みなさん、うつが再発する確率はどのくらいだと思われますか?
なんと6割(※1)にもなるといわれております。 ※1)厚生労働省こころの耳
再々発の確率は、7割、9割とさらに上がっていきます。つまり初期の段階でのケアがとても大切になってきます。
パネルの討論でも話題にでたのですが、休職を何度も繰り返す人、休職が長引いてしまう人の対応、現場に戻すにも現場との板挟み、そして場合によっては訴訟リスクもある等、人事の苦悩は大きくなっているように感じます。
これまでのA~Cさんの事例でもお伝えしたように、うつは多様化されてきており、従来の対応では難しくなってきているのも一因でしょう。
では、人事として何をどうすればいいのか?
いろいろ考え、やり方はあるかと思いますが、復職支援という現場の立場から、下記について、見直しをかける必要があるのではないかと思うのです。
1)休職中の社員の過ごさせ方、会社の対応
2)復職の材料、判断
3)復職後のフォロー
セミナーでは、上記について事例を交えてご説明致しました。
1)について、
休職中というのは、体力や実戦力が低下します。弊社を利用中の休職されている方からは次のような感想をよく聞きます。
<休職中の過ごし方>
・家で安静にしていた
・公園に散歩や図書館に出かけていた
・家族で買い物に出かける
・たまに友達とイベント等に参加していた
<休職中の不安、難しさ>
・生活リズムが安定しない、崩れる
・人と話す機会がかなり減る
・家族との関係の難しさ
・会社に見捨てられるのでないか、忘れられるのではないか
・仕事が気になる、自分の仕事があるか不安
・苦手の人がいる職場に戻れば再発するのではないか
生活リズムを整えることがまずは大切になってきます。休職中の方が出来ることとしては、日中活動記録表や気分チェックシートをつけることです。その記録を主治医や人事とも共有することで、復職判断の貴重な材料となります。
また会社としても、休職されている本人と定期的に連絡を取ることが必要と思います。連絡がないと不安は大きくなります。だからといって最初から面談などは逆にプレッシャーとなってしまいますので、回復に合わせて、連絡手段を使い分けれるとよいと思います。
ただ毎日記録をつけるのは、なかなか難しいもの。また会社としてもどのようなことに気をつけて連絡をすればいいのか不安なところも多いと思います。
こういう場合の一つの選択肢としては、
(弊社に限らずですが)復職支援施設を使うことだと思うのです。
うつと思っていても、そして診断をうけていても躁うつであるケースは以外に多いです。弊社でもいくつか事例があります。
まずは自分の疾病を理解すること、そして自己分析やストレスに対する対処法をトレーニングも必要です。ストレスコントロールは、集団でトレーニングを積むほうが効果的に出来ます。ストレスは得てして人との関わりの中で生じることが多いはずですから。
<よくあるケースイメージ>
くり返しになりますが、出来るだけ早い時期にしっかりとした対処をすること、それが何より大切です。うつは軽く考えていると本当に怖い病気です。
弊社を利用されている方を見て思うのは、みなさんとても誠実でパフォーマンスが高い方が多いということ。そんな方々が休職のくり返しや長期化で、就労継続が難しくなってしまっていることは本当にもったいないことであり、再発しないためのトレーニングを積んで、復帰してほしいと心から思うのです。
長くなってしまいましたので、この続きは次回にしたいと思います。
宜しくお願い致します。