休職を繰り返さないために【ケース事例:Cさん】
こんにちは、リヴァの伊藤です。
最近は冷え込みが厳しくなってきましたね。
前回は、最近若者に増えている非定型うつ(新型うつ)の事例をご紹介しました。
1)職場の人が非定型うつの理解がなかった
2)生活リズムが整えられていなかった
3)ストレスや感情のコントロールが休職前と変わっていなかった
再び休職してしまった原因として上記をあげてみました。
以前に、Aさんの事例のときに考えた再休職の要因は下記のようなものでした。
①休職中に体力や実戦力が低下していた
②うつになった時と同じ状態(状況)で復帰していた
③周りの支援がなかった
共通している部分は多いですよね。
基本的には、休職中に自分で対応できることをやる
例えば、体力をつける、生活リズムを整える
ストレスコントロール等のトレーニングなど
つまり家にいたり、公園を散歩したり、図書館にいくだけではなく
ストレスがかかる環境にあえて身を置くことも必要になってきます。
そして周りも本人のことを理解してあげる。
これは大切なことだと思います。
トレーニングする場所は、第4回のブログををご参考下さい。
難しいのは、うつというと従来のイメージがあり
本人への対応もそうしてしまいがちなところにあります。
ですから、
1)の周りの理解は、非定型うつの対応として重要になってきます。
些細なことでイライラしたり
そして落ち込んだりすることも多く、また昨日は元気に明るかったのに
翌日には起きれず、予定をドタキャンしてしまう
など、周りからすると理解できないと思うことも起きてしまいます。
でも、それは病気がそうさせているともいえるので
周りは、理解をしてあげることが必要です。
感情的になってしまうと、本人はだれにも分かってもらえないと
さらに悪化してしまう可能性があります。
でも難しいですよね。特に上司の場合、仕事のカバーしないといけなかったり
他のスタッフへの配慮の発生など利害も絡んできますので、
頭では分かっていても、つい腹ただしく思ってしまいます。
わたくし自身も非定型うつの方が職場にいてその方の上司の経験がありますが、
自分の感情を抑えるのが、とても大変でした。
疾病を分かっているつもりでも難しいので、知らなければかなり困難になってしまうはずです。
従来のうつですと、まずは安静にして無理をしない、させないとなりますが、
非定型うつの場合身体を動かしたりすると調子がよくなったりすることが多いようです。
Cさんも何か活動している時は、気分も高まり前向きな思考になると言っております。
生活リズムも整っていったようです。
ですから、背中を押すような支援も時には必要になってきます。
そしてもう一つの違いとしては、
従来のうつの方には、頑張れって言わないほうがいいというのはみなさんも聞いたことがあると思いますが、これは、本人がまだ頑張っていないように見えるのか
などネガティブにとらえてしまいより悪化してしまうことが多いためです。
しかし、非定型うつの場合は、教育的な接し方が必要な場合も多いのです。
しっかりと目標を決めてあげて、進捗を確認していく。
何が出来てできていなかったのか、出来なかったことはどうしていけばいいのか、
一緒になって考えていく姿勢が求められると思います。
非定型うつになる人は、不安気質であることが多く
パニック障害やパーソナリティ障害などを合併していることも多いと言われております。
発達障害などと併発しているこもあり、対応は複雑になってきます。
よく理解してくれている支援者を確保しておくことは重要なことだと思います。
最後に非定型うつの方が、よい意味で人が変わったように職場に戻ってくると評判のトレーニング施設をご紹介します。
鶴見ワークトレーニングハウスです。ここの管理責任者の方から説明を受けながら見学にいったことがあります。
ここでのトレーニングは、ミシンを使って生産物を販売していきます。
それぞれ製造、販売、管理と部署に分かれており
自分たちで計画をたて、予算管理をしていきます。
まさに小さな会社のようになっており、大手企業のおじさん達が一生懸命ミシン使って
エプロンやハンカチなどを生産しております。
最初は、こんなこと無理とかしたくない という反応が多いみたいですが、
周りのみなが真剣に取り組んでおり、また自分の役割がしっかりとあることで
自分の必要性を感じ、一生懸命取り組んでいくそうです。
コミュニティの力って大きいですよね。
非定型うつの方も、目標が設定され、それを達成していくことで
自信も回復し、職場に戻ってからも定着率は高いそうです。
素晴らしい取り組みだと思います。
弊社も頑張らねば!
次回もよろしくお願い致します。