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うつ病などの精神疾患に関して、世間ではまだまだ誤解が多く、また知られていないことが沢山あるように思います。そのことがうつの方を増やしている1つの原因になっているとも言えます。誰でも精神を患う可能性はあり、それは自殺にも至る恐い病気です。1人でも多くの方に理解して頂けるよう、医療・福祉・企業側のバランスよい視点を心がけて執筆していきます。

なぜ休職を繰り返すのか?【ケース事例:Cさん】

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こんにちは、リヴァの伊藤です。

ここ最近一気に秋らしくなってきましたね。
明け方なんかとくに寒く感じて、目が覚めてしまうこともあります。
みなさん、体調管理には気をつけましょう。

さて、うつのAさん、双極性のBさんと事例をお伝えしてきましたが、
今回は、それとはまた別の事例をご紹介したいと思います。

これまで同様、
医学的ではなく、個人的な考察ですのでくれぐれもご了承ください。


<Cさん(女性25歳)のケース>

■発症から休職
Cさんは、お調子もので明るい性格の持ち主。趣味もあり、友達もいて週末はよく遊びに出掛けていた。ただ人からの評価を気にしすぎるところがあり、プライドも高かった。仕事もなんとか順調にこなしてきたが、だんだん仕事の量も質も上がってくると徐々に対応しきれなくなっていった。上司や先輩から指摘や注意をうけると、ものすごく落ち込んだ様子を見せ、時には次の日出社しない日もあった。

それに応じて同僚には、上司や会社への愚痴も多くなっていた。遅刻がだんだん増えてきたので、上司に早く寝るよう何度も注意されていた。Cさんも遅刻しないよう23時前には寝るように努力していたのだが、朝起きれず、1日12時間とか寝てしまう日もあった。
無断欠席が目立ってきたので、上司が心配し始めた矢先、ある日、うつ病の診断書を持ってきて休職させてほしいと言ってきた。

Cさんは朝起きれないほど身体がだるく会社に行けなくなっていったため、インターネットで調べてうつ病を疑い病院に自ら行って診断書を持ってきた。

以前の事例でのAさんやBさんは周りから通院を勧められたが、Cさんは自分から通院をして、そして休職させてほしいと会社に診断書をもってきたのである。


■休職直後から復帰まで
休職当初は、外出する気にはなれずずっと家の中に引きこもっていた。ただ食事はしっかりととっていた。むしろ普段と比べ甘いものが食べたくなり過食気味でもあった。朝はものすごくだるく起きれず、夕方や夜に起きることも多く昼夜が逆転してしまっていた。夜になると不安になり、ゲームなどをして気を紛らわせていた。そのことがますます昼夜逆転を助長させてしまっていた。

心配したCさんの友人が、土日に趣味の買い物に誘うとCさんも気分転換にと出掛けた。友人といる時は、普段と変わらないくらい明るいCさんであった。また連休を使って登山に行ったりもしていた。

しかしながらそのような状況は、社員の一部でも話題になり、怠け者、わがままといった声が上がっていた。上司が状況を心配して電話すると、電話口では割と元気そうだったため会う約束をし、状況を確認することにした。
しかし、いざ当日となると体調が悪いと何度もキャンセルとなり、会えたのは当初の予定から2週間も経っていた。Cさんは会うと最初は申し訳なさそうではあったが、途中笑顔もあり、思っていたより元気そうに上司は思った。その後、主治医からOKをもらったとのことで、上司としても元気そうだったこともあって大丈夫と判断し職場に復帰することになった。


■復帰から再び休職
ところが出社初日から、Cさんは出社出来なかった。電話しても連絡がつかず、結局電話が通じたのは18時を過ぎたころであった。
朝起きれなかったとのこと。20時間以上寝ていたとのことである。なんとかその翌日は出社してきたものの、些細なことでイライラしてしまうことも多く勤怠が安定しない日々が続いた。

しかし土日には、友人と遊びに行っていると上司は聞いていた。そのことが上司には理解できず本人に問いただしたところ、会社に対しての愚痴が出てきた。上司もつい感情的になり、気まづくなってしまった。
その後、本人とはしばらく連絡が取れない状態が続いた。

■上記から考える、再度休職してしまった理由

Cさんのようなケース、みなさんの周りでもありませんか?

Cさんは、非定型うつ(新型うつ)と診断を受けております。最近若者を中心に増えている疾病で、従来のうつとは異なります。

違いは下記のようなものです。

<従来のうつ>
・責任感が強い、完璧主義などのタイプ
・他人を配慮し、自責的
・食欲不振、不眠
・何もする気が起きない(趣味も全くやる気が起きない)

<非定型うつ>
・若者から発症
・他人の顔色を伺い、他責傾向
・過食、過眠
・楽しいことは元気になり、嫌なことがあると物凄く落込む(気分反応性)
 →例えば、遊びには行けるが会社には行けない等
・些細なことでイライラして攻撃的になったり、激しく落ち込んだりする

※よくある症状例なので、非定形うつであればすべて当てはまるわけではありません。

このタイプは、周りからするとただのわがままだとか人間的に未熟なだけとか思われがちです。

でも、脳の血流を調べると健康な方とは異なる反応を示すこともあるようです。
だから当然服薬もしているわけですが。

再度休職してしまった原因として考えられることは、

1)職場の人が非定型うつの理解がなかった
今回のケースでは、職場、そして上司が非定型うつのことを知らず、従来のうつの症状で、Cさんを見ていたので、単にわがままで厄介な人という扱いを受けておりました。本人も会社に行かなければと思ってはいても、身体が鉛のように重かったりしてとてもつらい思いをしているわけです。


2)生活リズムが整えられていなかった
身体が鉛のように重くなる症状を伴うことが多いのですが、Cさんも休職中は外出する用事も特になかったのもあって、昼夜逆転の生活になっておりました。復帰後、勤怠が安定しないことは本人にとっても大きなプレッシャーになります。


3)ストレスや感情のコントロールが休職前と変わっていなかった
Cさんのような非定型うつになる方の場合、他人の顔色ばかり伺ってしまっていたり、ほんの些細なことが大きなストレスに感じる方が多いと言われています。休職前とコントロールするスキルが変わらなければ、周りから理解が得られにくい非定型うつの場合、復帰後のストレスはより大きな場合もあり、再休職になりやすい環境にあるといえます。


従来のうつのイメージとは異なるため、なかなか周りに理解されず、また従来のうつの方と同じような接し方をしていると、いつまでたってもうまくいかないことも多く、復職してもうまく定着せず、復職休職をくり返してしまい、場合によっては退職せざる得ないことになります。

今回のケースはよくある一般的な事例をもとに、うつが再発する一般的な要因を考えてみました。


では、このようなケースの場合、どうすればいいのか。
次回は、その対策について考えてみたいと思います。


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