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うつ病などの精神疾患に関して、世間ではまだまだ誤解が多く、また知られていないことが沢山あるように思います。そのことがうつの方を増やしている1つの原因になっているとも言えます。誰でも精神を患う可能性はあり、それは自殺にも至る恐い病気です。1人でも多くの方に理解して頂けるよう、医療・福祉・企業側のバランスよい視点を心がけて執筆していきます。

なぜ休職を繰り返すのか?【ケース事例:Bさん】

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こんにちは。リヴァの伊藤です。
先日、NTTデータだいち(NTTデータの特例子会社)さんの那須塩原にある「だいち村」で研修してきました。
リフレッシュを兼ねた研修の一つにノルディックウォーキングがありました。途中牛が放牧されており、すぐ近くまで寄ってきて可愛らしい場面もありました。でっかい水牛(画像奥の黒っぽい牛)が、ちょっと恐かったですが。。
牛さん.jpg
でも一番印象に残ったのは、杉林です。
昼間でも杉林の中はうす暗く、空の明るさが木のわずかな隙間から微かにふりそそぎ、そして霧雨が降ってました。
林の中は、ヒグラシの鳴き声が響き渡りそれ以外は何も聞こえない世界でした。
とても幻想的で、どこか懐かしい感じがしました。
杉とひぐらし.jpg
自然の中では、人は無意識に心のストッパーを外しているのだと思います。
そんな環境で実施するグループワークは、自己開示が進みお互いの理解が深まります。
さて、前回はAさんのケースをお伝えしました。
今回は、一見うつと思われがちだが実は・・そんなBさんの事例をご紹介出来ればと思います。
<Bさん(女性32歳)のケース>
■発症から休職
 Bさんは、相手の顔色をうかがってしまうタイプ。でも一方で、人前で話すことも嫌いじゃなく好きなことには熱中するところもありました。新しいプロジェクトを任されたBさんは、なんとか成功させなければと必死になっておりました。終電を過ぎて仕事をすることもあれば、家に帰って仕事を続け、時には明け方にメールが飛ぶこともありました。会議を急に開催したり、他のスタッフを時には強く叱責することもありました。周りからは、どこか違和感というか空回りしているようにみえておりました。
 プロジェクトが思うようにいかないこともあり、上司から呼び出されたBさんはそのあたりからプレッシャーを強く感じるようになり、会社に行くのがつらくなっていきました。
 そしてある朝、上司に謝罪のメールが届き、その日は会社に出社しませんでした。翌日以降、連絡がつかなくなってしまったので上司が自宅に訪問し、本人と話すことは出来ましたが何もやる気がでないとのことで、病院に行くことを約束し休職することになりました。
■休職直後から復帰まで
 素直な性格でもあったBさんは、しっかりと医師の指示どおりに薬を飲み無理をしないで休息をしたところ、3カ月もするとあまり落ち込むこともなくなり、普段どおりに生活が出来るようになって行きました。そして早く復帰しなければと焦るようにもなり、WEBサイトで情報を集めたり、アマゾンで書籍を大量に買って、読み始めました。ツイッターの書き込みも休職した頃は全くつぶやきがなかったのが、この頃になると時には休職する前以上に1日に100回以上もつぶやいたりすることもありました。本人もすっかり回復したと医師に訴えるようにもなり、無理をしないことであればということで医師の承諾を得て、職場に復帰することになりました。
■復帰から再び休職
 復帰後、今までの分を取り戻そうとBさんは必至に働き始めました。残業はしないで無理をするなと上司から指示されていたので、定時で帰宅はしておりましたが、自宅に戻ってからも仕事のことが気になり、書籍やWEBで情報収集を進めておりました。日中は精力的に働くBさんをみて、上司は残業もしてもいいことを認めました。ただBさんに指摘をすると、反論や他責的なところが若干気になっておりました。
 そんな調子が4か月続いた頃、上司はBさんの変化に気づきました。いつものような元気がなくなっており、心配になってました。そして欠勤する日が増え、再び休職となってしまったのです。
■上記から考える、うつが再発した理由
Bさんのケースは、医師による診断から双極性2型であることが後日わかりました。双極性とはそう状態とうつ状態を繰り返すことで、つまりハイテンションな状態と落ち込んで何もできなくなる状態を繰り返すということです。
そう状態になると、本人にその症状の自覚はなく何でも出来そうという自信爽快感をもつのでこれが本来の自分だと思うことが多いのです。ですから、その状態の時に周りが何を伝えても本人は受入づらい状況です。自分が正しいと思っていることが多いわけですから。
この症状の方は、うつ状態の時に診察をうけるため医師としても診断が難しいケースがあります。うつ状態からそう状態に移行するにつれ、回復していくように見えます。何より本人がそう感じているため、回復したと思って断薬してしまう人も中にはおります。そう状態からまたうつ状態の周期がくるとまた会社に行けなくなってしまうのです。
Aさんのケースと同じくうつが再発したように見えることでも、実は原因は違っていたことになります。
そもそもBさんの場合は、再発ではないわけですからね。
では、双極性2型であるBさんはどうすればよかったのでしょうか。
次回は、そのあたりについてケースを参考にお伝え出来ればと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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