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一口に広報といっても内容はさまざま。現場での広報活動の実際をご紹介します

なぜ記事にならないのか

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最近、他のIT系編集者のみなさんからも「ブログ読んでます」とのご連絡をいただくことがあり、プロの方に読まれるのが気恥ずかしい一方で、とても嬉しくなりました。この広報ブログがメディアと広報のみなさんの交流の場になると、さらに嬉しいです。

さて前回、「週刊エコノミスト」から「ああ勘違い広報」の記事を紹介させていただきました。企業の広報のみなさんにとっては、緊急時の対策はもちろんですが、日々の記事掲載による企業・製品イメージ向上のほうが切実な問題でしょう。

以前、「なぜ記事にならないのか」を数名のメディアの方にヒアリングさせていただいたことがありました。なぜなら、私の勤めていた企業のあるリリースが記事にならなかったからです。結果、「読者にとってあまり有益な情報と思えないこと」というのが掲載されない理由のトップでした。みなさん優しい方たちなのではっきりとはおっしゃいませんでしたが、要は「手前味噌で面白くない」ということだったのでしょう。そのほか「同日にメジャーな他社のリリースが多い場合には埋もれてしまう」というようなお話もお聞きしました。「火曜日は特にリリースが多いのでやめたほうがいい」というのはアイティメディアの浅井さんからのアドバイスでした。

平均的に見ると、月曜日のリリースは担当者側の調整時間が短いため避けるケースが多く、金曜日のリリースは土日で埋もれて読まれないという判断から避ける担当者が多いようです。結果、火曜日に集中したりすることになるわけです。

広報としては、なんとか脚光を浴びるよう日程調整や内容の再考、それからメディアの方への有益性の訴えをがんばりたいものです。これまでたくさんリリースを配信してきましたが、やはり中には「これはおもしろくないだろう」というものもありました。そのことを発表案件の責任者に進言した際、「いいのいいの。どんどん出すことに意味があるんだから。とにかくこの企業からはいつもリリースが届いているっていう状態にしたいんだ」というようなことを言われたことがあります。

企業側の理論としては納得なのですが、受け手を無視した一方的な配信では、大切なリリースも埋もれかねません。たとえば、社内でリリースにランクをつけ、翻訳資料や単なるお知らせ程度のものは通常のリリースと分けるなどメリハリをつけ、これは重要、というものをメディア側に理解いただけるような状態にしておくことも必要ではないでしょうか。

これは重要、というのは単にリリース配信をしただけでは伝わりにくいものです。@IT新野さんからのコメントにもありましたが、日に100通もリリースが届くのでは、全文を読んで内容をちゃんと理解していただくのは不可能に近い。大切なリリースの場合には、配信前後に電話または直接訪問してご説明するのが、やはり一番確実ではないかと思います。最後はアナログの世界なのです。

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