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見込み客のためじゃない広告、誰のためかというと・・・

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既存顧客と社員と、販売代理店のために。だそうです。

これは、あるソフトウェア会社の社長さんが以前おっしゃっていたことです。

「加藤さん、なぜうちみたいな中堅規模の会社が、新聞に15段広告(1つのページ全部)を打つのか、そのお金の使い方は無駄じゃないのか、と思っているんじゃないでしょうか?そういう見方もあると思います。それは十分承知です。

この広告のターゲットは、既存顧客と、社員と、販売代理店向けなのです。『私の使っている/私が勤務している会社の/私が販売している ソフトウェアを売っている会社がこんなに大きな広告を出している。この製品を選んでよかった、ビジネスもちゃんとうまくいっていそうだ』みたいに思ってもらい、カスタマーリテンション(顧客維持)/社員維持/販売代理店維持の目的を達成するのです」

一般的に新規顧客を獲得するよりも、既存顧客を維持するほうが易しく、コストがかからないと言われます(1:5の法則など

外資系のセールス担当者は、「新規を取らないと、ボーナスが出ません。既存顧客にアップセル、クロスセルを行っても、当社では成績に反映されないのです。それでは、表彰されません」ということで、新規獲得ばかりに目が行きがちです。

会社もそちらに注目しがちで、「既存顧客を集めてセミナーと懇親会をやる金があれば、新規獲得のために、まだ買ったことない人だけ集めて、大規模イベントをやろう」というケースもあります。しかもそのイベントは「既存顧客のご参加はご遠慮ください」などと書かれていたりして・・・。自分たちが選んだ製品が正しいのか、今後のロードマップは?会社の戦略は?一番知りたいのはすでに選択した人たち(既存顧客)ではないでしょうか?

広告がカスタマリテンションにどの程度効いているのか、定量的なデータはありませんが、既存顧客のことをもっと考えられるようにしていきたいものです。

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